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自転車の旅 ザンビア編 vol.2 〜ザンビアの青年たち〜【アンバサダー ロウ 麻友&エリオット】

キャンプサイトや宿に泊まるか。何もない場所で野宿をするか。地元の人にお世話になるか。この3つの選択肢のどれを選ぶかによって、その夜がどんな一晩になるか、どんな出会いがあるのかがまったく変わってきます。今回は、ザンビアの街なかの宿に泊まっていたときのお話です。

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ロウ 麻友 & エリオット (ろう・まゆ & えりおっと)
自転車旅人 + デザイナー。2009年ロンドンで出会い、結婚後は南アフリカ共和国へ移住。2015年より3年間、南アフリカ〜イギリス〜日本への道のりを自転車でミニマルに旅する。現在は国内外の未開地を探求しながら、サスティナブルな生き方を実践中。
アンバサダー ロウ 麻友 & エリオットの記事はこちら

自転車の旅 ザンビア編 vol.2 〜ザンビアの青年たち〜【アンバサダー ロウ 麻友&エリオット】

キャンプサイトや宿に泊まるか。何もない場所で野宿をするか。地元の人にお世話になるか。この3つの選択肢のどれを選ぶかによって、その夜がどんな一晩になるか、どんな出会いがあるのかがまったく変わってきます。今回は、ザンビアの街なかの宿に泊まっていたときのお話です。


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アフリカの観光客向けの宿にはたいがいキャンプサイトも併設されており、人それぞれ部屋に泊まるかテントに泊まるかを選ぶことができます。テント生活がすっかり板に付いて来た私たちは、迷うことなく価格がリーズナブルなテント泊を選びます。

この日は日中自転車を漕いでいると、車に乗ったカップルが私たちを逆ヒッチハイクしてくれたので、予定より随分先までやって来ました。夜中にキャンプサイトに到着し、暗闇の中テントを張ったので辺りの様子が分からなかったのですが、朝起きてみると団体ツアー客のテントにぎっしり囲まれていて驚きました。


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また別の日、多くの観光客が集まる街のバックパッカー宿でテントを張っていると、ナミビアのキャンプサイトで出会い仲良くなったイギリス人の男性たちとばったり再会。野宿や村での宿泊を繰り返していると、信じられないほど外国からの旅人に出会うことがないのですが、行くところにいけば出会えるものです。

その翌日、彼らと共に野外ライブへ出かけた先で、地元の若い青年たちと出会いました。青年たちは地元の子供を活気づけるためにと、アクロバティックショーを毎週行っているとのことで、ぜひ一緒に参加してほしいと言いました。内容は定かではないものの、青年たちの純粋な熱意が十分伝わってきたため、私たちはその数日後また会う約束をしました。


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青年たちと待ち合わせた場所は、宿がある街中心部の洗練された雰囲気とは打って変わって、舗装されていない細い路地が枝分かれする地元の生活感溢れる場所でした。今日がアクロバティックショーの日とすでに知っているのか、子供たちがすでに外へ出て来ています。


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その何が起こるか予測できない“アクロバティックショー”とやらは、青年たちの大きな掛け声と太鼓の音と共に、突然スタートしました。音が鳴り出すと、この周辺一体にこんなにも子供たちがいたのかという数の子供たちが、どこからともなく走って集まってきます。


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子供たちは誰も恥ずかしがることなどなく、興奮のままに大声でコールを繰り返します。まるで偶発的なパレードのように村内の道を練り歩いていくにつれ、子供たちの数はどんどん増えていき、私やエリオットの周りには腕をぎゅっと掴んだり肩車をせがむ懐っこい子供たちで溢れかえっていました(そのおかげで、この日は思うように写真を撮ることができませんでした)。


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照りつける太陽の強い日差しで皆んな汗だく泥だらけになりながらも、子供たちの凄まじい熱気で汗を拭う暇もありません。それはどれだけ時間が経過しているかもさっぱり分からない、興奮の渦に巻き込まれたような出来事でした。自己流で練習しているというアクロバティックパフォーマンスを披露する青年たちに促され、エリオットは即席のスラックラインを設置し、子供達を盛り上げていました。


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たった半日、ただ子供たちと一緒に道を歩いていただけなのに、自転車を漕ぐよりも数倍のエネルギーを使った私たちは、イベントが終わる頃には完全に力尽きてしまいました。後から話に聞くと、青年たちは子供たちに夢を与えたい、やる気をもって何かに取り組んでほしいという想いで、1年前から毎週1回この活動を続けてきたと言います。まだアクロバティックのような表現活動が浸透していない地元ザンビアでは、協力してくれる人も少なく、この自発的なアクションを理解してくれる人も少ないようです。


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アフリカを旅していると、はるばる外国からやってきた“お金持ち”の私たちに、金銭や物質的なサポートを求めてくる地元の人がたくさんいるのが現実です。しかし、アクロバティックショーを続ける彼らはそういったものを求めず、純粋に活動を続けていける生き方を探しているようでした。子供たちや地元の人に、その場しのぎの金銭や物を与えるのはある意味簡単なことですが、彼らを心から笑顔にできるのは、このような青年たちなのかもしれません。