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フィールドレポート 金峰山川篇【アンバサダー 谷口 京】

9月末。長野県川上村へイワナ釣りに出かけてきました。秋風薫る清流から、その日の様子をお伝えします。

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谷口 京(たにぐち・けい)
写真家。1997年 日本大学芸術学部写真学科卒業。宮本敬文氏に師事後、NY市ブルックリンを拠点に独立。仕事の傍ら世界各地を巡り、2004年に帰国。雑誌や広告、カタログなど様々なフィールドで活動中。
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フィールドレポート 金峰山川篇

9月末。長野県川上村へイワナ釣りに出かけてきました。秋風薫る清流から、その日の様子をお伝えします。

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朝6時。朝霧漂う金峰山川。日本でいちばん長い川・信濃川(千曲川)の源流であり、奥秩父の名峰・金峰山(2,599m)を源に、長野・新潟を経て日本海へと注ぎます。

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魚に気づかれぬよう静かに渓流を遡りながら、イワナがいそうなポイントに毛針を流してゆきます。水温が徐々に緩む頃、岩陰から1匹の岩魚が矢のように躍り出て、ドライフライに飛びつきました。急流に磨かれた麗しい姿に心奪われます。

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霧が去り、青空が広がりました。金峰山川流域は小川山をはじめとした岩峰に囲まれ、ボルダリングやクライミングのメッカとして有名です。この日も、ボルダーや岩壁に挑む、多くのクライマーの姿が見えました。

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標高1500mを越える森は、すでに冬の準備にはいっていました。赤、黄、緑、萌黄色…自然が織りなす色の奇跡が、川の流れを彩ります。

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ふと足元を見ると、小さな命が芽吹いていました。わずかな苔によくぞ種が落ち、根付いたものです。なんだか勇気がもらえた気がして、思わずシャッターを切ったのでした。

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午後は朝より少し下流へ下り、再び川を釣りあがりました。多くのフライフィッシャーが訪れる川だけにイワナも警戒気味。ヒレで毛針を弾いて反転したり、直前で止まって笑うような仕草を見せたり、なかなか毛針を噛んでくれません。フライやリーダーをつけ換えながら、魚との駆けひきがつづきます。

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そろそろ退渓という頃、艶やかなイワナが釣れました。岩魚は秋が繁殖期。産卵を控え、お腹が大きく膨らんでいます。写真を撮ってリリース。イワナやヤマメは10月から禁漁期。今シーズンの渓流釣りが、これで幕を閉じました。

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テントに戻り、コーヒーを淹れながら、その日の釣りを振り返ります。手に残る感触を確かめつつ、気持ちは早くも来春へと向かうのでした。