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ロケ日記 中国・西安篇【アンバサダー 谷口京】

中国の旅もいよいよ最終章。悠久の時刻む古都・西安を彷徨しました。

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谷口 京(たにぐち・けい)
写真家。1997年 日本大学芸術学部写真学科卒業。宮本敬文氏に師事後、NY市ブルックリンを拠点に独立。仕事の傍ら世界各地を巡り、2004年に帰国。雑誌や広告、カタログなど様々なフィールドで活動中。
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ロケ日記 中国・西安篇【アンバサダー 谷口京】

中国の旅もいよいよ最終章。悠久の時刻む古都・西安を彷徨しました。

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四川省の省都・成都を出てから2週間。いよいよこの旅の最終地、西安の街並みが見えてきました。人口約650万。中国西部最大の都市です。

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西城門をくぐり、街の中心部へ。

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西西安は人類文明の最も古い起源の地のひとつ。古くは長安と呼ばれ、紀元前11世紀以降、13王朝がここを都と定めました。唐の時代(7〜10世紀)には南北8km、東西9kmの城壁に囲まれ、最大100万人以上が暮らしたと言われています。その都市計画は日本の平城京・平安京のモデルとなりました。

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シルクロードの起点として栄えた西安は、アラブ ペルシャ インドの商人も行き交う国際都市でした。600年以上の歴史を持つ回民街・西羊市へ。イスラム教徒の食堂や屋台が軒を連ね、いにしえのバザールの空気を今に伝えます。

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串焼き売りの少年。爆音のテクノをBGMに、手際よく羊肉を捌きます。
イスラム帽を脱げば、ストリートの若者。

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食堂の客引き扮する孫悟空。孫悟空のモデルとなった僧・玄奘(げんじょう 602-664年)は西安から西域へ旅立ち、印度から多くの経典と仏像を携え帰還。仏教の深化と発展に全生涯を捧げました。その足跡は、今も人々の心に根ざしているのかもしれません。

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明代に築かれた古城壁(1378年完成)へ。1周14キロの石畳を徒歩やレンタサイクルで周遊可能。

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歴史を刻む城門。現存する城壁では世界最大級。

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古代より東西の旅人が目指した都・西安。万里の旅の果て、辿り着いた人々の眼に、この街はどう焼きついたのか。古に想いを馳せつつ、シャッターを切りました。

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夜。城壁がライトアップされ、中国の歴史を讃えるショーが催されました。艶やかな俳優、巨大なサウンドシステム、レーザーやピクセルマッピングを惜しげなく使った演出は、中国経済の勢いを象徴するかのよう。

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まばゆい光を浴びながら、ふと、食堂で出会った地元の男性の言葉を思い出しました —「この国の変化のスピードを想像できますか?この10年で、収入は10倍に増えました。この先いったいどうなるか?我々にも全く分かりません」—-通りに佇み、ショーを見つめる人々の姿が印象的でした。

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ホテルへの帰り道。ギターの音色にふと足を止めました。変わりゆく中国社会。その流れに抗うように、男はただ黙々とギターを奏でます。旅の終わりに、静かな歌声が強く胸に響くのでした。

今回使ったアイテム

キャリーケース:clamshell 80、バックパック:eclipse pro 27、フリース:trail fleece、ハット:grab hat +d、シャツ:delta S/S