00_DSC05078

karrimor mountain journal vol.24 立山〜剱岳(DAY2)

立山〜剱岳山行のDAY2は、早朝のピークハントからの剱沢にデポした荷物をピックアップ、テントを撤収、そして室堂へと戻り、黒部アルペンルートで扇沢へと戻るタフな行程。登山者がおののく、カニのタテバイ、ヨコバイはクリアできたのか?! 無事に山頂は踏めたのでしょうか?!

01_DSC04768

スタートは午前3時。あたりはまだ真っ暗ですが、クライマーたちがごそごそと準備をはじめる様子が伝わってきます。明るくなるまでに前剱まで到達し、クライミングルートを安全に通過しようという予定です。

02a_DSC04786
02b_DSC04778

ヘッドランプの明かりを頼りに進んでいきます。剱沢小屋から剣山荘、一服剱までのルートは比較的歩きやすく、岩に記された目印を探しながら進んでいきます。リュックサックは〈SL20〉。ファストパッキング向けに開発されたモデルですが、安定感に優れたフィッティング、コンプレッションやポケット類も充実しており、アタックザックとしても定評があります。

03_DSC04798

一服剱を越えたあたりから岩場がダイナミックになっていきます。手を使い、3点支持は必須。そして何より注意しなければならないのは落石。後続のクライマーに直撃しては大変。慎重に登ります。

04_DSC04811

振り返ると剱沢のテント場があんなに遠くに…。別山の尾根もくっきり視認できました。ヘッドランプがチカチカと、たくさんのクライマーが登ってくるのが見えます。

05a_DSC04832
05b_DSC04830

「ヤッター!剱岳に登頂!」「いや、まだここは…」という冗談はさておき、なかなかハードなガレ場を登っていくとピークにたどり着きました。

06_DSC04834

前剱に登頂です。後ろに見えるのが剱岳の本峰。ここまでも一苦労な行程ではありましたが、まだまだ本番はこれから。しかも難易度は増していきます。気を引き締めて山頂へと向かっていきます。

07_DSC04837

クサリ場も高度感たっぷり。スパッと切れ落ちた岸壁にルートがつくられているようなシーンも。しっかりとクサリをつかみ、足場を確認しながら進みます。

08_DSC04848

登山道とはいえないような起伏に富んだルート。登山、トレッキングというよりもクライミングの要素が大きく、手の使い方、足の置き方が重要になってきます。

09_DSC04868

そして登りの核心部のひとつ、カニのタテバイへ。クサリはあくまでも補助的なもの。岩をしっかっりと掴んで足場を確認しながら、少しずつ、確実に登っていきます。下を見下ろすと、これから登ってくるクライマーたちが見守ってくれていました。

10_DSC04876

さらに岩場を登っていくと、ついに剱岳の山頂です! 山頂付近はガスが濃く、強風が吹き荒れていたこともあり、記念写真だけ撮って早々に撤退しました。シェルを着ていてもどんどん体温が奪われるほど。アタックとはいえ防寒、防風の準備が役立ちました。

11a_DSC04878
11b_DSC04886

剱岳は登りと下りのルートが一部で異なります。危険箇所でクライマーが鉢合わせないようなルート設定です。下山ではありますが、下りの方が危険なケースもあるため、まだまだ気がぬけません。着用していたのは〈boma NS jkt〉。レインジャケットのなかでも透湿性に優れ、アクティブな山行ではウェア内部を快適に保つことができます。

12_DSC04890

下りは崖の下が否応なく見えてしまうので、恐怖感が倍増。吸い込まれてしまいそうな崖が次々と現れます。

13_DSC04910

しかしながら、慣れてきたのか麻痺してきたのか…。クライミングルートの高度感を感じにくくなり、淡々と難所をクリアしていきます。空には晴れ間も見えてきて、気温は上昇。シェルを脱いで体温を調整します。

14_DSC04933

振り返ると剣岳がドーンと。登りのときは薄暗くしっかり見えなかったのですが、いかつい岩肌がくっきりと浮かびあがります。見とれてしまうほど威厳があり、ついさっきまであの上にいたのか…と思うと感慨深いものです。

15_DSC04947

剱沢はまだまだ遠く。日の出後にスタートした登山者たちとすれ違いながら、下山していきます

16_DSC04960

剣山荘で一休み。明日は台風が直撃する予報だったため、小屋番の方たちがあわただしく雨戸を打ち付けていました。

17_DSC04968

すっかり晴れわたり、夏山の様相を呈する剱沢。本来はもう一泊して、ゆっくりと余韻に浸ってから下山したいところ。駆け足でテント場へと急ぎます。

18_DSC04972

剱沢小屋の前の展望スポットでパチリ。今回登ったのは写真左側のルートですが、右側にはバリエーションルートもあります。どっしりとした山容、難易度の高い岩場、過酷な環境…。クライマーを惹きつけて止まない理由がわかります。

19_DSC05060

剱沢のテント場を撤収し、ふたたび大型リュックの縦走スタイルへ。剱御前小舎を経由し、雷鳥沢へと向かいます。

20_DSC05090

昨日は見えなかった雷鳥沢が目の前に。異世界のような景色に息を飲みます。火山活動により硫黄臭が立ち込め、煙がたなびいていて、思わず立ち尽くします。

21_DSC05100

下りは脚への負担が大きく、大型リュックではなおさら重みが堪えます。でも、これこそテント泊登山の楽しみのひとつ。自分の足で歩き通したという充実感はバックパッキングならではの魅力です。

22_DSC05110

そして最終目的地、室堂へ到着。ついさっきまで剱岳の山頂にいたのですが、あっという間に現実世界へ。幻だったのか?!と思うほど慌ただしい立山〜剱岳山行は幕を閉じたのでした。

〈山行2日目を振り返って〉

北アルプスのなかでも屈指の人気を誇る剱岳。実は昨年も山行の予定があったのですが、天候に恵まれずに繰り越しとなっていました。今回も2度のリスケの後の敢行となりました。日本海側に面していることもあり、天候変化の影響を受けやすい山。クライミングのようなシーンもあるため、雨や風がある場合は危険度はかなり高くなります。シェルジャケットや防寒着のセレクトは一般登山よりもワンランク上のモデルを選ぶのがベター。防水性や耐久性、保温力など、スペックや機能が確かなものが快適性だけでなく、体をしっかりと守ってくれます。

〈立山〜剱岳(DAY2)で使用したアイテム〉

item03_DSC04997

〈boma NS jkt〉
2日目の山頂アタック時に着用。動きはじめの朝方、まだまだ気温の低い時の防寒着として活躍してくれました。登りはじめ、体が火照ってきてからでも透湿性に優れた通気性で全く不快感はありませんでした。山頂付近ではガスが出はじめ、雨も降ってきましたが、もちろんレインとしての機能も発揮。ピークアタックでは鎖場や岩だらけのガレ場が続きましたが、十分過ぎるほどのストレッチで腕上げなどもノンストレス。多少の擦れも気になることはありませんでした。今回のフィールドテストでは、あらためて〈boma NS jkt (unisex) 〉使用されているNeoShellファブリックの機能性、汎用性の高さを実感することができました。

item04_DSC04998

〈featherlite down parka〉
夏山でも、やはり夜は冷え込みます。明日のアタックに備え、静まり返ったテン場には幾度も突風が吹きつけます。そんな時に役立ったのが〈featherlite down parka〉。700フィルパワーの軽量ダウンパーカーが冷えた体を包み込み温めてくれました。山行中も本体重量は450gと軽量で、かつコンパクトに収納できるため、携行にも非常に便利でした。夏場は山で、冬場がタウンでと通年活躍してくれる一着です。

item01_DSC04950

〈SL 20〉
2日目のテント場〜山頂のピストンで使用。「一服剱」以降は登りも降りも激しい動きを伴うシーンが幾つもありましたが、リュックサック本体の軽量性にヒップベルトとショルダーハーネスの抜群のフィット感で背負っていることを忘れてしまうほど身体とリュックが一体となり、無事山頂へ辿り着くことができました。本体外側のバンジーコードもウェアやヘルメットを外付けするのに大いに役立ちました。

item02_DSC05013

〈summit jkt (unisex)〉
山頂付近で一時的に雨に見舞われレインジャケットとして使用したほか、2日目の出発が深夜で気温も低かったのでフリースとの組み合わせでアウターシェルとして使用。防水性耐風性共に問題なく快適な着用感を提供してくれました。適度な生地の硬さはとにかく安心感をもたらしてくれます。特に核心部となる鎖場を中心とした岩場の多いシーンでも思い切った腕上げやトラバースを可能にしてくれました。