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karrimor mountain journal vol.26 厳冬期八ヶ岳(渋の湯〜黒百合ヒュッテ)

なかなか積雪に恵まれなかった今シーズン。雪が全然ない!と嘆いていましたが、3月に入ってからの大雪を待って、八ヶ岳に入山しました。冬ならではのウェアリングや山行テクニックを学びに、またフィールドテストを行うために渋の湯からスタートしました。

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数日前に降った雪で積雪は40cmほど。かろうじて登山道は踏み固められているので、それほど影響はありませんが、山は真っ白な新雪に覆われていました。今回は商品開発担当のMが女子2人に雪山指南をしつつ、フィールドテストを行いました

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気温は0〜マイナス5℃ほど。やはり3月というだけあり、それほど寒くはありませんでした。アプローチでのポイントは体温低下を招く汗をできるだけかかないこと。透湿性のあるウェアですが、防寒着を着ていることもあり、激しく動くとすぐに暑くなってしまいます。レイヤリングを調整しながら登っていきます。

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3時間ほどで黒百合ヒュッテに到着。週末は登山者で賑わう人気の小屋ですが、大雪のせいもあって静かな印象。小屋番さんが除雪をしてくれていました。

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1泊2日の行程のため、ここでテントを張ります。行程は短いのですが、テント泊装備(共同テント)と食料、研修用の雪山ギアを携行しているため、大型リュックをセレクト。ひとまずお疲れ様でした!

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低気圧が東側にあるため、強い風が山頂付近を覆っています。本来は天狗岳を登頂する予定でしたが、すれ違った登山者から積雪が1m以上ありアプローチ不可と聞きあっさり断念。普段であればそれほど難しくない山ですが、大雪に阻まれてしまいました。

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ということで、テントを設営したら雪上訓練へ。アックスをつかってラッセルの練習です。過酷な環境下でいかに思い通りの動きができるか、ウェアの対応力をチェックします。

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つづいて滑落停止。新雪だったため、かなり滑りにくい状況ではあったのですが、しっかり踏み固めてスタート。表面生地がつるつるのレインウェアでは、滑落時に滑ってしまい危険。摩擦係数が高く、枝や岩などでのスレから守ってくれる耐久性の高いハードシェルが必須だと実感。

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今回着用していたジャケットはboma NS jkt。雪山での山行に対応したソフトシェルです。撥水加工が施してあるので湿った雪でも水が侵入しにくく、体を動かしても水蒸気を効果的に発散してくれます。従来のハードシェルにはないしなやかな着心地は、アクティブな動きを妨げません。

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テントに戻ってみると雪がさらに降り積もっていました。スコップで除雪して、ガイラインを確認して就寝しました。

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翌日は「行けるところまで行ってみよう」と中山方面を目指します。

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途中からトレースがなくなり、ルートファインディングをしつつ、ラッセルで突き進んでみます。尾根では風が強くなり、枝にはエビのしっぽが。

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展望は望めそうもないので、途中の標識でストップ。積雪期ならではの、なかなか気が抜けない雪山の手強さを味わういいテストになりました。

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帰りはトレースを辿ってテント場へ。過酷な環境ではありますが、冬の美しさは格別。

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オーバーダウンとして着用していた〈featherlite down parka〉は撥水加工が施してあるので行動開始時の防寒に最適。軽量でありながらも、多めに封入したダウンのおかげでしっかりと保温してくれます。

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テント場に帰還。午後から天気が崩れるという予報があるので、お昼ご飯をいただいてから下山することに。

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カリマーの定番大型リュックのひとつ〈cougar〉。とくに雪山のような荷物や装備があれこれ増えてしまうような山行には最適。容量の可変する幅はもちろん、ギアやウェアを入れられるフロントポケットや拡張に便利なループといった対応力には定評があります。

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下山時はゆるやかな下りですが、歩き方ひとつとってもコツが要ります。ステップを崩さないようにかかとから足を下ろし、一歩ずつ慎重に下ります。

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春の湿った雪が木々に積もっていました。少しの振動や風でドバッと落ちてくるので通過時はご注意!

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あっという間の雪山研修登山。もっとたくさん登りたい気持ちもありますが、コンディションが悪いときは無理をしないのが鉄則。

〈山行を振り返って〉

たまに覗く晴れ間が森の中に光を落とします。冬山は装備が増えるし、危険度も増します。でも、冬だけしか味わえない山の魅力があるのも事実。春の訪れを実感する今日この頃ですが、山はまだまだ冬。装備には抜かりなく、楽しんでもらえればと思います。

〈厳冬期八ヶ岳(渋の湯〜黒百合ヒュッテ)で使用したアイテム〉

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〈cougar grace 55-70〉

ヘルメットやテント、アイゼン、ピッケル、ダウン、エアマット、銀シートなど、夏山と比較して、荷物が多くなる雪山のテント泊登山。往路は20kg弱の重さでしたが、サイズアジャストシステムやヒップベルトを都度調整して肩への負担を軽くすることで、ほとんど疲労感なく山行することができました。特徴であるフロントポケットには、雪をかぶってしまったギア類や、よく脱ぎ着するジャケット類、アイゼンなどを全て収納。2日目、雪や朝露で湿ってふくれてしまったテントで溢れてしまったアイテムは、デイジーチェーンにカラビナでくくりつけることができました。*男性向けモデルはこちら〈cougar 55-75〉

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〈featherlite W’s down jkt〉
運動停止時や、風の強いシーンなどで着用。特に冬場テント内での着用は非常に重宝しました。ハンドウォーマーポケットは非常に暖かく、助けられました(手袋をしたままポケットに手を入れ、末端の冷えを予防)。2日目は風が非常に強く、顔が痛くなってしまうほどだったので、フードを着用して頭部の凍傷を予防できました。ちなみに、専用のスタッフバッグに収納するとかなりコンパクトになるので、雪山山行以外はトレラン用の防寒着やデイハイクでの防寒着など、幅広く通年活躍しているアイテムです。(※シェルジャケットの下に着用するのが一般的ですが、山行中も調整しやすいようにジャケットの上から着用するのが私のおすすめです)*男性向けモデルはこちら〈featherlite down jkt〉

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〈strata 50 type1〉

軽量で堅牢な生地を使用した〈strata 50〉は雪山でも大活躍でした。慣れない環境で手元がおぼつかず、アイゼンやピッケルを出し入れする際に擦ったり引っ掛けたりするシーンが多々ありましたが、穴が空いたりすることはありませんでした。ダウンや厳冬期用寝袋などボリュームのあるギアもしっかりと収納することができ、フロント部分が大きく開く設計のため、テント内での出し入れも簡単でした。
*男性向けモデルはこちら〈strata 50 type2〉

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〈boma NS jkt(unisex)〉
雪山環境でも〈boma NS jkt〉は重宝しました。フロントの大きく開くベンチレーションのおかげでしっかり通気でき、フラップ付きの止水ジッパーで雪や水が入ってくることもありませんでした。また、後頭部のドローコード1箇所を引くだけでフードを調節できるのでオーバーグローブをしていても操作しやすかったです。調整後も頭の動きに合わせて追従してくれるので視界も確保でき快適でした。