わたしのロードマップ_yamamoto_01

わたしのロードマップ Vol. 2 山本春花(フォトグラファー)

ロードマップとは道すじを示す道路地図のこと。広くは“目的地・成功に導いてくれるもの”という意味もあります。旅と生き方、その双方が輝く女性たちの鞄の中身を見せてもらい、彼女たちの魅力の理由を探る連載です。

第2回目は、ポートレートを中心に、さまざまな雑誌で撮影をしているフォトグラファーの山本春花さん。取材はもちろん、プライベートでも国内外を旅する彼女に、旅に持っていくお供について伺います。

photo MOEKO ABE
text TRANSIT

プライベートでもやっぱりカメラは欠かせない

カメラマンとして独立する前は、旅行会社で働いていた山本さん。やはり多くの国を旅してきたのでしょうか。「旅行会社時代はいまよりも沢山行っていました。といっても窓口業務だったので、旅行はプライベートばかりだったんですけどね。ストレスフルだったから、その分休みができると行くぞーっていう感じで。いま思うと、その頃から写真が好きで、旅先でも撮りまくっていました」

わたしのロードマップ_yamamoto_01
そう話しながら鞄を開けてくれた山本さん。まず目に飛び込んできたのは、キャリーバッグの半分を占めるほどの大きなカメラバッグです。大きなカメラバッグには、中判カメラから写ルンですまでバリエーションに富んだカメラが入っています。「あれを持ってくればよかったのに、ということが嫌で、いつもこれくらいは持っていきます。荷物は少なくしたいんですけど、こればっかりはなかなか難しいところです」

わたしのロードマップ_yamamoto_02

いくつかのフィルムカメラとともに封筒も出てきました。中には旅先で撮影した素敵なチェキ写真でいっぱいです。「写真って心動かされた瞬間を永遠に閉じ込められるものでもあると思うんです。旅先でいいなと感じた景色は帰ってきてから眺めても、そのときの気持ちを思い出せて気分が高まります。だから時々見返すために持ち歩いているんです」
作品として若い女性モデルを被写体にした『乙女グラフィー』を制作し、仕事でポートレート撮影を多くこなす山本さんは、旅先でも現地の人を撮らせてもらうこともあるそう。そんなときにもチェキは役立っているといいます。「わたしはフィルムカメラが映し出す描写が好きで、プライベートではデジタルカメラを持っていかないことが多いんです。だからこそ、撮ってすぐに見せられるチェキは貴重で。その場で渡すと、とても喜んでもらえます。このおかげでいい表情が撮れたりと、コミュニケーションのための結構重要なアイテムにもなっています」

わたしのロードマップ_yamamoto_03

旅から帰ってフィルムを現像しプリントしたら必ず行うのが、思い出をアルバムにまとめることだそう。旅先で撮影した写真や、絵はがき、切手などをきれいに整理したアルバムも見せてくれました。「プライベートの旅だからこそ、思いっきり思い出を残しておきたい。フォトグラファーとして活動する前から、かなり几帳面に作っていました。友達に見せて盛り上がったりして。もしかしたらその頃から人に見せるということを意識していたのかもしれません」

旅にかかわるものを見せながら、思い出が次々とあふれてくるように饒舌になる山本さん。やはりご自身で撮られた写真は記憶とも強く結びついているようです。

わたしのロードマップ_yamamoto_04

「記憶といえば、こういうものも集めているんです」と取り出してくれたのが、メダイ。キリスト教の聖品として聖人や聖女などが彫られたコインのようなもので、日本ではそれほど目にする機会がありません。「わたしは、人の内面を形作るものに興味があって、キリスト教に限らず旅先では寺院に足を運ぶことが多いんです。生活に寄り添いながら、大きく人に作用しているところに不思議な魅力があって。それでメダイを集めているんですが…なんてもっともらしく語りましたが、実は単純にかわいいから集めちゃうっていうのも大きな理由です(笑)」

わたしのロードマップ_yamamoto_sakuhin

©Haruka Yamamoto

ライフワークになっている『乙女グラフィー』は、20代中盤にさしかかった山本さんが、老いと向き合うために、若さと対峙して撮影を始めた作品です。美しさや可憐さを表現しながらも、自分の内面と向き合うための手段でもある作品群は、山本さんの写真との向き合い方を象徴しているかのようです。

旅だからと気を抜きすぎず、ちょっと引き締める

わたしのロードマップ_yamamoto_05

旅は非日常だからと、いつもよりオープンに気を抜いて楽しみたいと思いがち。それでも山本さんは、あえて気を引き締めるためにしていることがあるといいます。それは、下着に気を払い、大切に扱うことだそう。「以前は、バサッとバッグに入っていればいいやという感覚だったのですが、年上の方とご一緒したときに丁寧に収納なさっていて、自分の惨めな下着の様子に愕然としたんです。それこそ自分の内面がそこに現れているかのようで。」すぐさまお気に入りのランジェリーバッグを探し、下着の扱いを変えた山本さんは、旅先での意外な変化を感じます。「疲れたから片付けるのは朝でいいか…ということが少なくなり、翌日のスタートも気持ちよく切れるようになったんです。引き締めるべきは引き締めるからこそ、旅が楽しめる。これに気づいてから、格段に旅の充実度が変わりました」

わたしのロードマップ_yamamoto_06

山本さんにとってもう一つ欠かせないのが、いつもより上質なアメニティ。「宿泊先によっては基本的なアメニティが揃っていないこともあって、もともと持ち歩いていたのですが、それを普段使っているものよりもちょっとよいものに変えました。旅という非日常って実は知らず知らずに緊張しているもの。入浴時にお気に入りの香りで満たされると、気分が安らぎうまい具合にリセットできるんです」
旅慣れていても、普段とは違う環境ではストレスもあるもの。そんな中で毎日を気持ちよく過ごすために1日の始めと終わりでリセットすること。旅を目一杯楽しむために、できることは小さなことでもやる。山本さんのそんな姿勢がくっきりと現れています。

わたしのロードマップ_yamamoto_07

旅の鞄はカリマーのキャリーケースAirport pro 40とcadet 20の2個持ちで。Airport pro 40は道の悪い場所では背負えることや、大きく開ける出し入れのしやすさ、そしてなによりも、機内持ち込みできる点が特にお気に入りという。「カメラ機材が入ったバッグは必ず機内に持ち込みたいんです。この組み合わせなら、着替えなども入るのでほかに機内預けする必要もない。到着したらすぐに行動できる。時間のない取材のときなんかは本当に助かってます。最近よく行くアジアの国々では、キャリーケースを転がしにくいところも多いんですが、その点これなら146cmと背の低いわたしでも無理なく背負えるので、利便性がいいんです。旅だけじゃなくて、普段の撮影でも機材バッグとして使っているくらいお気に入りです」


myroadmap_goods

旅の持ち物

カメラ/大きな分画質のいい写真が撮れる中判カメラ。気軽さのある距離感で撮れる写ルンですやコンパクトカメラも欠かせない。
チェキ/ものとしてその場で渡せるチェキは旅の必需品。
ノート/トラベラーズノートに旅の最中は日記を書きためておき、帰ってきてから写真をはりつけてアルバムにしている。
ランジェリーバッグ/見てすぐ用途が分かる下着のイラスト入りでお気に入り。「これに入れるだけで、不思議なくらい気持ちが変わるんです」
アメニティ/ロクシタンなど香りがよくて、見た目もかわいいものをセレクト。夜、気分をリセットするのに欠かせない。
メダイ/旅先のアンティークショップで購入したもの。「日本では宗教色が出てしまいますが、海外では違和感なくつけられるので、旅行先でアクセサリー感覚でつけています」

airportpro40

今回のおすすめアイテム

ariport pro 40

[ エアポート プロ 40 ]

収納式ショルダーハーネスを装備し、ザックのように背負える機動性の高いキャリーバッグです。取り外せるデイパックをフロントに備え、飛行機内や現地での行動時に役立ちます。本体には信頼性の高い生地を採用するほか、レインカバーも装備しているので、さまざまな環境に対応できます。シンプルな見た目は、レジャーにもビジネスにもマッチします。

ポイント

  • 収納式のショルダーハーネスを装備
  • フロント部分は取り外し可能な小型デイパック仕様
  • 大きく開き、出し入れしやすいメインコンパートメント

cadet20
cadet 20

[ カデット 20 ]

レディースやキッズ向けのデイパック。コンパクトな小型リュックサックですが、トレッキングやアウトドアで活躍する機能をふんだんに盛り込んだ、実用的なモデルとなっています。リフレクトテープやネームプレートホルダー、チェストストラップを備えています。

ポイント

  • レディース&キッズに最適なサイズ
  • 小型モデルながらチェストストラップを装備
  • 開閉させやすいジッパーオープニングタイプ

profile_yamamoto

山本春花(やまもと・はるか)

東京都生まれ。フリーランスフォトグラファー。雑誌・広告・CDジャケットなど、活動の幅は多岐にわたる。趣味の写真を楽しむための『snap!』のメンバーとして、企画・編集にも参加。2014年4月から、自身のブログで若い女性モデルを被写体としたポートレートシリーズ『乙女グラフィー』(http://haruka146.jugem.jp/?cid=10)の連載をしている。個展・展示会はこれまで『台湾フォト』(2014年9月)『乙女グラフィー展』(2015年4月)『二人のたけすえしおり』(2015年6月/企画展示)『乙女グラフィー展 with ポパイカメラ』(2015年8月/企画展示)、『PINK COMPLEX』(2017年9月)などが開催されている。
http://yamamotoharuka.com