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karrimor mountain journal vol.13 槍ヶ岳(後編)

槍ヶ岳(北アルプス) テント泊縦走 with jaguar60+10


mountain journal vol.13 槍ヶ岳(前編)はこちら

槍ヶ岳山行2日目、「山頂で日の出を見ましょう!」と日の出前よりアタックを開始。4時に起床し、準備を開始。月明かりに照らされて、テント場を出ました。

コースタイムでは山頂までは30分ほどで着く予定…ただ、そそり立つ山頂直下を途中強風も吹く中、悪戦苦闘しながら登っていきます。ハーネスとロープを携行しビレイしてもらっていれば、なんてことないルートなのですが、ビレイされていない状況だと恐怖感がまるで違い、精神的な余裕が全く無くなるのでした…それでも徐々に明るみを増す目の前の岩壁や周りの景色に気持ちがはやる中、三点支持と冷静さだけは失わぬよう少しずつ高度を上げていきます。

山頂アタックでは出発前から時折風が強く吹いていたので、ウェアは〈alpiniste down〉をインナーに着込み、〈phantom jkt〉をウィンドシェルとして着用しました。おかげで外からの風は完全にシャットアウトし、早朝の冷え込みも全く気にならない保温効果を得ることができました。


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滑落という恐怖に怯えながらも下部を攻略すると鎖やハシゴが現れ、「おそらくあれがピークじゃないかな〜。」先輩が尖った方向を指します。ついに槍のピークを視界に捉えるところまで来ることができました。しかし、ハシゴも一見頑丈そうに見えるのですが、登り始めるとキシキシ揺れているような…。慎重に慎重に登りました…。

いよいよ最後のハシゴ。これを登れば念願の槍ヶ岳山頂です!


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ついに「槍ヶ岳」の山頂に到着! いつかは登ってみたい、と「槍ヶ岳」を意識した山行を重ね、ようやく辿り着くことができました。天候も快晴で山頂からの見晴らしは最高の一言。穂高連峰だけではなく遠くには八ヶ岳や富士山も望むことができました。無事、予定していた日の出にも間に合い、真っ赤に染まる空と穂高の山々がとても印象的でした。太陽が登るにつれて刻々と変わる朝の景色を思う存分堪能しました。


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西の方角に目をやると槍ヶ岳の影が遠くの雲に写っています。特徴的な槍の穂先は陰になっても一目で分かりますね。晴れた日の貴重な光景を目の当たりにすることができました。


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登頂の記念にと山頂の祠の前で記念撮影。見ての通り祠の前に行くのも結構勇気がいります。朝日に照らされる穂高をバックに貴重な1枚となりました。


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山頂での景色を堪能したので下山です。登りであれだけ苦戦したのですが、下りの方がさらに難しく感じました。崖の下がよく見えるので、その分恐怖が募ります。しっかり足の踏み場、手の置き場を確認し一歩一歩慎重に下ります。こういった岩場での経験値は、これから挑む山での大きな課題となりそうです(汗)

それでもアタック時に使用した〈VT hip bag B〉はショルダーベルトとヒップベルトの2本を組み合わせることで身体にしっかり密着固定できるので、バッグと身体が一体となり荷物の重みで振られることがなく、非常に助かりました。


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無事に岩場をなんとか下り終え、ピストンしてきたほうを振り返って見てみると…。登り始めた暗がりとは打って変わって岩肌がくっきりと見て取れます。


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テント場に戻り、食事を済ませ、荷物をまとめて出発です。コンディションが良ければ、「南岳」「北穂高岳」を抜けて「涸沢」に。とも考えていたのですが、強風の影響でしかも経験値の少ない自分が切り立った稜線を越えるにはリスクが高いと判断し、昨日来たルートを戻り「涸沢」を目指すことに。

大キレットに挑戦するせっかくのチャンスで後ろ髪を引かれる思いでしたが、先輩にも「大丈夫です。また来れば良いだけですから。山は逃げませんよ。」と宥められ、慎重且つ確実な決断を下しました。


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アプローチ時に疲労困憊に追い込まれた急登を振り返ります。下りは太ももに負担がかかり、昨日からの疲労と重なり足が思うように動きません。まるで太ももが悲鳴をあげているよう。浮石には気を付けて慎重に下ります。途中の小休止で「槍ヶ岳」を見上げると、自分がさっきまで山頂に居たというのが嘘のよう。槍ヶ岳の穂先を見られるのもあと僅か…少し寂しい気持ちにもなりました。


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一向にペースが上がらないまま「槍沢ロッジ」へ。少し長めの休憩を挟みました。ベンチに腰掛けると、もう立てないんじゃないかと思うほどの足の疲労…「涸沢」まで身体が持つのか、心の中に暗雲が立ち込めはじめました。


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身体の調子が上がらぬまま「横尾」に到着。ここで昼食。太ももや膝の疲労は今まで経験したことがないほど…。この足の状態で本当に「涸沢」へ行けるのか…ここからあと約3時間の山道が続きます。いつもは和やかなひと時となるのですが、この時ばかりは沈黙のランチタイムとなりました。

でも何の為にわざわざ「上高地」から入山しここまで来たのか…自問自答を繰り返していると時刻は14時に差し掛かろうとしています。「涸沢」へ行けるタイムリミット直前です…。葛藤の末、やっぱりここまで来たからには「涸沢カールを見ないわけにはいかない!」と「涸沢」を目指すことにしました。


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「涸沢」への道中。極端なアップダウンは無く非常に歩き易い山道でした。途中、迫力ある屏風岩が望める場所で、紅葉が素晴らしかったので足を止めて景色を楽しみました。「横尾」から「涸沢」まではコースタイムで3時間。体力の消耗が激しい中とはいえ、そこまでの長さを感じさせない飽きのこないルートに感じました。


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筋力が疲弊しきっているため、シャリバテにだけはならないよう行動食を積極的に摂り、細かい休憩を挟みつつ、なんとか「涸沢」に到着です! いつもであればここからテントを張るのですが、日も暮れかかりテントを張る気力も残っておらず、無念の「涸沢小屋」泊まりに…。


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「涸沢」と言えば無数の色とりどりのテント!を期待していたのですが、平日なのと紅葉のピークが終わった影響もありテントの数は10張り程度…。それでも、小屋泊まりをしている方達は大勢居て、気さくな方も多く、夕飯時から多くの方から山のエピソードなど色々なお話が聞けました。結局消灯時間まで話は尽きず、半分寝落ちした状態でようやく解放されました(笑)。部屋に戻って布団に入るなり気絶同然、爆睡でした。

今まで行った山では経験できなかった多くの人との触れ合いも「涸沢」特有なのか…それともたまたま出会ってしまったのか。自分にとっては思い出に残る印象的な場所となりました。


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翌朝。モルゲンロートが見たかったので日の出前に起床。昨日の爆睡が効いたのか不思議と身体は軽く復活です!昨日は夕方に到着した影響で景色を堪能できなかったので、暗がりの早朝から「涸沢」の景色を思う存分楽しみながら明るくなるのを待ちます。

「涸沢カール」。氷河の影響でできた「谷」とのことですがここまで美しいとは思いませんでした…。見上げた先が3,000m峰の穂高の山々なのだから仕方はありませんよね。「上高地」から山頂は目指さず、わざわざ「涸沢」にだけ来る人が多いというのも深く納得できます。


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朝日の訪れとともに、小屋に泊まっていた方たちも目を擦りながらカメラ片手にデッキに集まり始めます。穂高を赤く染めるモルゲンロートを見ることができました。「横尾」で散々悩み「涸沢」を目指し、朝をここで迎えられて本当に良かったです!

デッキに集まった方たちは思い思いに撮影しながら、あーでもないこーでもないと、早朝にも関わらず昨晩のような談議が始まります。本当に分け隔てなく気さくな方達が多く、昨日の今日出会ったとは思えないほど意気投合しているのでした(笑)


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「涸沢」の景色も存分に堪能し下山です。体力も復活し順調に下りあっという間に「横尾大橋」。昨日は決死の覚悟でここを渡りましたが、渡っておいて良かったと改めて思いました。


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横尾を過ぎてからはなだらかなアプローチ。3日間の山行を振り返りながら歩を進めます。あっという間の3日間。ただ、巡った場所、出会った人たち、心の葛藤であったり。本当に内容の濃い3日間だったなと、そんなことを思い返しながら上高地を目指しました。


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無事「上高地」に戻ってきました! 入山時とは景色がまるで違い、人でごった返した観光地と化していました。大型リュックサックを背負った人もいれば、ヒールを履いている観光客もいて、多種多様な感じがとても新鮮に感じます。3日間歩き抜いた達成感を感じながら、今山行の余韻を楽しみます。


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念願であった「槍ヶ岳」山行。無事槍の山頂を踏み「涸沢」にもどうにか行くことができました。自身の体力の見極めや高所での岩場スキルなど課題も多く見つかり自身のレベルアップは今後の山域によって必要不可欠というのを強く認識することとなったのですが、それ以上に山を純粋に楽しむという事を大型リュックサックを通して改めて感じられる山行となりました。

3日間の山行だったので携行するギア類の選定は一歩ハードルが上がり、背負う重さもその分ずっしりと身体に堪える重さとなりましたが、karrimor大型リュックサックにはSAシステムを搭載したバックパネルやしっかりと腰で背負えるヒップベルトの設計など、絶妙な荷重分散で負担を軽減してくれます。なので経験の浅い自分でも3日間の縦走が可能になったと思っております。時にはきつくハードなシチュエーションに遭遇しましたが、その辛さを帳消しにしてくれる楽しさや感動、達成感、充実感をkarrimor大型リュックサックはもたらしてくれたと感じております。上高地に到着後、バスの出発時刻まで時間もあったので恒例の温泉で先輩と3日間を振り返りました。

次はどこを目指そうか…今回の山行で見た山々も実際目の当たりにすると、魅了され行ってみたいと思うようになってしまいます。国内でも屈指の山域「北アルプス」には名所が数多く存在し行きたい所は増える一方です。今後の展望や今回を振り返ると話が尽きず湯船からなかなか出られないのでした。次回をお楽しみに!
 
 

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【ギア紹介】

●リュックサック(jaguar60+10):背面のフィット感を調整することが可能。長期山行などで活躍するフラッグシップモデル。
●シェルジャケット(phantom jkt):機動性に優れた高機能レインジャケット。今山行では主にウィンドシェルとして活躍。
●パンツ(arete pants):防風性・摩耗性、透湿性に優れ、更に高い伸縮性も持ち合わせたソフトシェルパンツ。
●ダウンジャケット(alpiniste down):ボックスウォール構造により、優れた保温性を持ちながら、行動にストレスを与えないダウンジャケット。
●アクセサリ①(PS beanie +d):POLARTEC® Power Stretch® Proを採用。デオテープを使用し、消臭機能を付加しています。高いストレッチ性と保温性を実現しています。
●アクセサリ②(WG balaclava +d):縫い目のないホールガーメント製法を採用。デオテープを使用し、消臭機能を付加しています。ヘルメット下の保温ギアとして最適。
●レインパンツ(boma NS slim pants (unisex)):今回は使いませんでしたが、レインジャケットと合わせて必携です。
●サブバッグ(VT hip bag B):ベルトループを備えた中型のポーチ。すぐに取り出したい小物の収納に便利で、ショルダーとウエストの2点で固定できます。

●ストック ●軽アイゼン ●テント ●シュラフ:NANGAのUDD BAG 280DX ●マット:サーマレスト ●小マット:サーマレスト ●トラベルシーツ:COCOON ●枕:sea to summit ●スタッフバッグ3サイズ:sea to summit ●ファーストエイド ●ヘッドライト:milestone ●ガスカートリッジ、コッフェル ●食器(EcoSouLife) ●バッテリー(OUTDOORTECH):ガジェット類の充電に必須携行品。●カメラ ●水500ml×2 , 7食分ドライフード , 粉末スープ , 3日分行動食


matu

マツ

性別:♂
好きな山行スタイル:大型リュックサックでのテント泊縦走
趣味:ボルダリング(主にインドア。3〜2級で伸び悩み…)/スノーボード(シーズンに10回以上は行く。滑っていないと仕事が手につかなくなる)/ランニング(最近サボり気味)/旅行(主に国内。主に海が綺麗な場所)
一言:男は黙って大型リュック!