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+karrimor vol.7 剣岳 後編/熊山 准さんとjaguar 60+10&AR10

いくつもの切り立った岩壁が待ち構え、難易度の高いルートとして知られる剱岳。
天に向かってそびえる峻険な山容は、数多くの登山客を魅了してきました。
2999mの頂を目指し、ミニくまちゃんことライターの熊山准さんと、2泊3日の山行へ。

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山行2日目。劔岳山頂を目指す熊山さん。霧でほとんど視界がゼロななかテント場からアタックを開始しましたが、前剱を越えたあたりからは、午後から天気がよくなるという予報通り、みるみるうちに青空が広がってきました。そして、熊山さんの目の前に現れたのは、圧倒的な迫力を放つ劔岳の主峰。切り立った崖が立ちはだかります。

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しかし山頂まではまだまだ。登ったり、下ったりを繰り返しながら距離を縮めていきます。「ルートの右側が急な崖になっているんだけど、ガスで何にも見えないから、落ちたら吸い込まれていきそう」。尾根を越えて吹いてくる強い風にあおられることもあり、ちょっとドキドキ……。
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国内の登山ルートでも難易度が高いことで知られる剱岳。一歩間違えば滑落してしまいそうな場所がいくつも待ち構えています。もちろん、そんな場所には鎖が設けられていて安全には配慮されているのですが、足がすくむような高度感には驚くばかり。この高度感はやはり剱岳ならでは。
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国内で唯一の氷河が確認された場所でもあり、渓谷の下までつづく雪は夏でも溶けることはありません。晴れてきて、一気に気温が上昇。雪の上を流れる冷たい風でクールダウン。

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強い日差しは体力を奪います。雪渓と岩の間を通るような場所は絶好の休憩ポイント。地層のように体積した雪の隙間から流れてくる冷たい水で喉を潤してふたたび出発!
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まさに剱岳ならではの光景! 切り立った岩にはりつくような体勢がつづきます。不安定な場所では三点支持が基本。足と手がしっかりとグリップしているか確認しながら、着実にルートを進んでいきます。週末などは混雑して、ときには渋滞になることもあるそう。そんなときでも慌てずにゆっくりと、が基本。
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「カニのタテバイ」を越えたら頂上まであと少し! 真っ青な空がクルーを祝福してくれているかのよう。ラストはガレた岩場を登っていくのみ。出発の時間を遅らせたこともあり、ほとんど登山客はいない模様。ラッキー!
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ようやく山頂に到着! いつもならここにあるはずの祠は修繕のためにおろされているようで、標識を持ってパチリ。2999mの山頂からは絶景が広がっていました。
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山頂の周囲には雲海が広がり、おそらく2000mより下は雲に覆われている模様。天空の異世界にたたずんでいると、ダイナミックに雲霞が波打つのを感じます。なかなか見ることの出来ない風景。強風と雨のなか、頑張ってアプローチしてきた甲斐がありました。

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山頂で一時間ほど休憩し下りへ。登ってきたルートと下山ルートは一部異なっていて、登りとはまた違った楽しみがあります。傾斜の高いルートでは、実は登りよりも下りの方が危険なことが多いのだそう。ときには斜面側を向いて、しっかりと岩をつかみながら下ることも。

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下山ルートの核心でもある「カニのヨコバイ」。垂壁かと見まがうほどの崖を横方向にトラバースしていきます。鎖をしっかりとつかみ、足場を確認しながらゆっくりと進んでいきます。ちなみに、この日下山するテント場は写真左奥の雪渓のたもと。「下山するのも一苦労!結構距離があるね」と熊山さん。
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アップダウンを繰り返しながら来たルートを戻ります。登る距離だけでなく、クライミングのような難易度の高い箇所を越えていくこともあり、精神的な疲労も積み重なってきます。疲労困憊なときこそ気を抜かず集中!
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ついに劔山荘、そしてテント場のある劔沢小屋が見えてきました。登りのルートでは見えなかった絶景。立山・劔エリアならではの光景を見ていると、疲れもふきとびます。写真では雲に隠れてしまっていますが、尾根の先にはバスターミナルのある室堂方面もときおり姿をみせていました。

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夜は快晴! 満点の星が頭上でまたたいていました。出発時は天候が悪かったこともあり、テントは10張りほどでしたが、下山してみるとその数は30以上! 剱岳の人気の高さを実感しました。ちなみに、テント場のある劔沢には、富山県警察上市警察署の剱沢警備派出所(山岳警備隊)があり、日々登山客の安全を見守ってくれています。

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翌朝、テント場の上にある雪渓から振り返ると、剱岳の全容が目の前に。かつて氷河期だったころ、この場所はまさに氷河に覆われていたそう。ゆっくりと氷が流れることで、このゆるやかなカールが形成されたと考えられています。数千、数万年という悠久の時間の流れを感じながら、尾根を越えていきます。

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雲ひとつない快晴に、「今日も最高のコンディション。帰りたくなくなっちゃうね」と熊山さん。今回は剱岳のピークハントを目指しましたが、ほかにも縦走コースなどのルートはたくさんあり、まるで冒険のような山行ができるエリアでもあります。
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雨の中を歩いてきたアプローチも、快晴ならこんなに雄大な景色。「谷間に残った雪と尾根のグリーンのコントラストがきれいだね。でも、雨でこごえそうだった行きと比べるとちょっと暑すぎじゃない?(笑)」。標高こそ高いのですが、直射日光が強く、体感温度は結構な暑さ。夏山では脱水症状にならないように水の確保も大切です。
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山行をスタートした室堂まで戻ってきました! 室堂は観光バスで来ることができるため、登山者以外の観光客もたくさん訪れます。「ついさっきまでは静かな山の中にいたのに、あっという間に現実に戻されるね(笑)」。今回の山行では、劔沢小屋までのアプローチには〈jaguar 60+10〉を使用。テントや寝袋、防寒着、食料などの荷物も多くなるため、背負い心地のよい大型のリュックサックは必須。テント場から山頂までは、水と行動食とレインジャケットなどの最低限の荷物を携行できる〈AR10〉をアタックザックとして使いました。本来はトレイルランのためのモデルとして開発されましたが、軽量ながらポケットやドローコードなどの機能も高く、フィット性も良好なので、クライミングのような身体を動かすシーンには最適。ダイナミックな登山ルート、360度に広がる景色、真夏の雪渓などなど、剱岳は魅力がいっぱい。安全には気をつけて登山を楽しんでください。
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熊山 准(くまやま・じゅん)

アーティスト、ライター。主な執筆媒体は『R25』『サイゾー』『Mac Fan』『スゴレン』『AllAbout Macガイド』など。作品展示『ミニくまちゃん展 – 3rd Birthday Exhibition』といったアート活動も。

http://www.kumayama.com/