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山とカメラ vol.4 “色”をテーマに 山写真にひと工夫

山登りが大好きなみなさんに、
もっともっと山を好きになるためにオススメしたいのは「カメラ」。
ファインダーを通すと、いろんなことに敏感になります。
光の美しさや何気ない被写体の魅力に気づいたり……。
せっかくならお気に入りの一枚を残したいもの。
雰囲気のいい写真を撮るコツを写真家・野川かさねさんに伺います。

第4回のテーマは「“色”をテーマに山写真にひと工夫」。
山には、草木や花のほかにも魅力的な被写体がたくさんあります。
たとえば、被写体の色に注目するだけでもいろいろなことに気づいたり。
愛用の道具や何気ない道標もかわいく見えてくると、
山登りがより楽しくなるでしょう。
今回のテーマは”自然の中で映える赤”です。


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“色”をテーマに山写真にひと工夫(1)

道具や道標の「赤」

ザックやテントなど道具の「赤」、
道標や橋など建造物の「赤」などは比較的に山の中で見つけやすいです。
かわいい写真にするコツは画面いっぱいに「赤」を入れるのではなく、ポイントにすること。
明るい曇りの日や日陰など、
光が全体的に回っていると色がキレイに出るのでおすすめです。(野川かさね)

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撮影ポイント

  • 構図=目立たせたい被写体に視線を集中させるため、
    「縦位置」でポット・道標を画面の真ん中辺りに配置。
  • ピント=赤い色のポット・道標に合わせる。
  • 光=色がきっちりと出るように、
    曇りの日+被写体の正面から当たる「順光」で撮影。

 

(左)カメラ/Nikon FM2
レンズ/NIKKOR 50mm F1.4
フィルム/Kodak Gold 160
設定/マニュアル(F値:F2.8、シャッタースピード:1/125)
被写体までの距離/約30cm

(右)カメラ/Nikon FM2
レンズ/NIKKOR 50mm F1.4
フィルム/Kodak Gold 160
設定/マニュアル(F値:F4、シャッタースピード:1/60)
被写体までの距離/約1m


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“色”をテーマに山写真にひと工夫(2)

自然の「赤」

緑の中の花や木の実の「赤」は目を惹きます。
また、朝焼けや夕焼けの空に広がる「赤」もキレイです。
朝焼けや夕焼けの赤は、デジタルカメラで撮る場合、
ホワイトバランス(WB)のオート補正で赤味が再現できないことも。
ホワイトバランスを「太陽光」または「5500K」に合せると、
見た目に近い「赤」を表現しやすくなります。
露出を少しアンダーに調整すると赤味が強調されます。(野川かさね)

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撮影ポイント

  • 構図=ナナカマドの赤い実に近寄り過ぎずに緑の葉も入れることで、
    より「赤」を引き立たせる。
  • ピント=ピントを合わせたナナカマドの実に
    見る人の視点を集中させるため手前をボカす。方法:「シャッター半押し」でピントを固定。
    また、「絞り(F値)」が設定できるカメラの場合は
    小さい値(例えばF2.8など)に設定。
  • 光=曇りの日+被写体の正面から当たる「順光」。

 

カメラ/Nikon FM2
レンズ/NIKKOR 50mm F1.4
フィルム/Kodak Gold 160
設定/マニュアル(F値:F2.8、シャッタースピード:1/60)
被写体までの距離/約50cm

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撮影ポイント

  • 構図=山は画面の下1/3ほどに収め空を広く入れて、空の色を主役に。
  • ピント=山の稜線に合わせ、山のシルエットを美しく際立たせる。
  • 光=晴れた日の日没直後+被写体の後ろから当たる「逆光」。
    また、デジタルカメラの場合、「赤」をキレイに出すために
    WBを「太陽光」または「5000K」に合せる。
  • 露出(写真の明るさ)=少しアンダーに調整することで
    夕焼けの「赤」をよりキレイに、山はシルエットになりカタチが際立つ。方法:「+/ー」の露出補正ボタンでグラデーションの赤が
    キレイに出るよう補正。

 

カメラ/Nikon FM2
レンズ/NIKKOR 50mm F1.4
フィルム/Kodak Gold 400
設定/マニュアル(F値:F5.6、シャッタースピード:1/15)
被写体までの距離/無限遠


なるほどコラム

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1.カメラコラム

写真を本格的に楽しみたくなったら「一眼レフ」

レンズ交換ができたり、露出などの細かい設定ができる「一眼レフ」は、
表現の幅が広くイメージを画にしやすいカメラです。
カメラ付き携帯電話やコンパクトカメラより大きくて重いけれど、画質が良いのが特徴です。
山の写真をよりキレイに残すために「一眼レフ」に挑戦してみましょう。

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トランプは山小屋でのお楽しみ。野川さんの愛機フィルム一眼レフ
『Nikon FM2』で撮影。

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朝陽に包まれた雲取山。フィルターを掛けたかのような色味に。
同じく『Nikon FM2』で撮影。


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2.撮影コラム

夏が終わると山は「紅葉」の季節

落葉樹の樹木が赤や黄色、オレンジ色に染まる「紅葉」。
見頃の時期が短い「紅葉」には、キレイに色づく気候の条件として「最低気温が10℃以下になる」
「昼夜の気温の差が大きい」「湿気が少ない」などがあります。
こまめに天候の情報をチェックしましょう。

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10月の尾瀬。湿原の周辺に草や低木が一面に色づく「草紅葉」が広がる。

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10月の鎌倉。紅葉の色は天気や気温の変化により数日で変わる。


今回の先生

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野川かさね(のがわ・かさね)

写真家。 ホンマタカシ氏のアシスタントを経て、フリーランスとして活動する。
著書に『山と鹿 DEER MOUNTAIN』(ユトレヒト)『Above Below』(Gottlund Verlag)などがある。
アウトドアユニット「noyama」や、クリエイティブユニット「kvina(クビーナ)」として展示、
書籍の制作やイベントも行っている。

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カメラ日和学校「山登り初心者も大歓迎! みんなで山へ撮影に行く講座」

10/6(土)(雨天の場合は10/7(日)に延期)に写真とカメラの講座「山登り初心者も大歓迎!
みんなで山へ撮影に行く講座」を「カメラ日和学校」にて開催。
山梨・山中湖近くのハイキングコースへ行き、撮った写真でZINE(小冊子)を制作。
詳細はカメラ日和学校HPにて。

http://www.camerabiyori.com/school

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書籍『山・音・色』

山を愛する野川さん、モデル・KIKIさんによる登山紀行。
行き先は、北八ヶ岳・高見石、雲取山、涸沢、八丈富士、表銀座、大雪山、徳本峠、尾瀬、富士山、北八ヶ岳・黒百合。
著者の二人と一緒に歩いているように、山を感じられる一冊。( 山と溪谷社刊)

http://www.yamakei.co.jp

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書籍『 山と写真 カメラを持って山に出かけよう』

自身の作品を見つめ直しテーマごとに分類された写真の数々、野川さんによる親しみやすい言葉での表現が、
山をより身近なものに感じさせてくれる。綴じ込みミニフォトブック付き。(実業之日本社刊)

http://www.j-n.co.jp

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書籍『山と山小屋 週末に行きたい17軒』

料理自慢、温泉自慢、野生動物に出会える小屋……。
山を愛する二人の女性、野川さんと編集者・小林百合子さんが訪ねた、
魅力的な山小屋の数々とそこに流れる時間を、写真と文章で紹介。(平凡社刊)

http://www.heibonsha.co.jp

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写真集『Things not to do in Colorado River』

グランドキャニオンを流れるコロラド川を下った旅の写真集。25日間、
450マイルの旅の時間を垣間見れる一冊。フランスと日本のtwelvebooksとの共同出版で、
日本での取り扱い店についてはtwelvebooksのTwitterにて随時更新予定。

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ガイドブック『Mi amas TOHOKU 東北が好き kvina×SHOE PRESsの観光案内』

野川さんが参加するクリエイティブユニット「kvina」と宮城県仙台市にある編集プロダクション
「SHOE PRESs(シュープレス)」が東北を紹介するガイドブックを制作。
少しずつ復興している沿岸部の街、ほっこり温かな祭、
変わらずおいしい食べ物などを野川さんの写真などで紹介している。

http://miamastohoku.posterous.com