僕の好きな本【アンバサダー 船山潔】

山にも海にも行けない外出自粛期間中、読書にハマりました。昔から好きな本と、期間中に出会った本をいくつか紹介したいと思います。

YOSEMITE IN THE SIXTIES / GREN DENNY

2007年にパタゴニアから出版された写真集です。アマチュアカメラマンだったグレン・デニーがヨセミテに挑むクライマーを10年間に渡って撮り続けたというもの。僕がクライミングを本格的に始めた頃、アウトドアショップで見つけて衝動買いしました。

これを見て、いつかヨセミテでクライミングすると決めた記憶があります。写真がその当時の時代背景やファッション、道具、遊びを物語っていて、クライミングという文化についてもっと知りたくなるような本です。

一番好きなページは136ページ。歴史のある場所も、いつかは何も残らない寂しさのような、達成感のような、なんとも言えない感じが好きです。ヨセミテには「ultimate project #2」でも行きましたが、自分の弱さを痛感して帰ってきたので、またチャレンジしたいと思っています。

道具の小史と用具の変遷 / 西岡 一雄

昭和33年に出版された本です。前半には明治時代から昭和までの山岳史。後半にはリュックサックや登山靴、ピッケルなどの山道具がどのように生まれて、いつ日本に入ってきて、どのように変化したのかといった道具史が記されています。尊敬する方からこれは面白いから見たほうがいいと言われ、すぐに買って読みました。個人的には海外と日本それぞれで違う登山の常識や時代の流れがとても興味深いところでした。新しいものを作り出すときのヒントにもなります。テントが江戸時代から使われてるとは知らなかった。

日本のクラシックルート / ザ•コンパスシリーズ

長野県近隣のアルパインクライミングのルートを紹介する本です。いくつかクライミングの本を持っていますが、一番愛着があります。アルパインクライミングを始めた最初の冬は、ひたすらこれを見て行くルートを決めていました。

今から20年以上も前の本なのでクライマーの道具も古いものが多く、見ていて面白い本です。アイスクライミングの写真を見ると、氷の張り方や雪のつき方が今とは明らかに違うので、地球温暖化の影響も改めて気付かせられる本でもあります。

terminal / 講談社MOOK

いろいろな切り口から山について知ることができる、一つのドキュメンタリーのような雑誌です。高校生のとき、たまたま本屋の隅で見つけて購入しました。当時は登山にものすごくハマっていた時期で、この本が面白くてたまらなかったのを今でも覚えています。

好きなところが多すぎて1つに絞れませんが、強いて挙げるなら地球を科学的に読み解くところと、初めて国際山岳ガイドを知ったことが印象に残っています。この雑誌を読んで自分のやりたいことを見つけられました。今ではこの本を作った編集長の小林昂祐さんと仲良くさせていただいていて、思い入れの深い一冊です。

やさしい山のお天気教室 / 粟島 徹

北アルプス・西穂山荘の支配人である粟島さんが山での気象による遭難事故を減らすため、自ら勉強し、経験したことから生まれた入門書。イラストも粟島さん自身が描いていて、説明文もとてもわかりやすいです。気象についてあまり詳しくなかった僕ですが、この本は何度も読み返すぐらい好きな本です。

粟島さんは本当に山が好きで、ご自身が山小屋のオーナーであることを誇りに思っているし、お茶目で面白い方です。西穂山荘に本を買いに行くついでに美味しいラーメンを食べ、粟島さんとの会話も楽しむ、そんな素敵な1日はいかがでしょうか。

食と文化の謎 / マーヴィン・ハリス

宗教、国、経済など様々点から食べ物と文化を紐解いていく、異端児と呼ばれた人類学者の文化論です。何年か前、古本屋でこの本のタイトルに猛烈に惹かれ買いました。もともとさまざまな食べ物や文化の歴史について調べることが多く、かなり好きなジャンルでした。宗教における食のタブーの章では、イスラム教成立以前の時代の豚の扱われ方、豚の原産地の気候、豚の生物学と生態学、家畜としての豚の価値、豚を家畜とできる人間社会側の条件などを詳細に分析するなど、まるで教科書のようです。

僕は最近コンビニのご飯をあまり食べないようにして、非加熱の蜂蜜や美味しい水などを毎日の生活に取り入れています。

HOPI / 天川 彩

僕が18歳のときにインディアンジュエリーに出会い、一番最初に買ったのがホピ族のジュエリーでした。それをきっかけにホピ族について調べるようになり、文化や物の考え方や環境についての考えを考え直すきっかけにもなりました。本書では「平和の民」と呼ばれるアメリカ先住民のホピ族と著者が長い年月をかけて仲良くなっていった実体験を綴っています。

この本を読んで一番関心が湧いたのが、自然と人間との関わり方。自然に感謝して敬意を払い、他者を尊敬し、謙虚であること。当たり前のことなのに全然できていないのが今の世の中で、常に行なっているのがホピ族です。

最後のホピ族へのインタビューは興味深いものばかり。一番最近に読んでかなり刺激を受けた本です。いろいろな意見や考えがあるのでなんとも言えないですが、僕はこれ期により環境問題について考え、行動したいと思っています。まずは節水と節電ぐらいから始めていこうかと。

本を読むことがこんなににも頭を使い、自分の考えを整理できるものとは知りませんでした。偏りすぎず、より広い分野の本にチャレンジしていこうと思います。

船山 潔

船山 潔(ふなやま・いさぎ)クライマー、佐久平ロッククライミングセンター所属。20歳の時に渡仏して以来、アルパインクライミングに魅せられ、山の世界に没頭する。現在は日本、海外問わず気の向くままにロッククライミング、アルパインクライミング、バックカントリースノーボードを楽しむ。

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