梅雨空が続く初夏の週末、花の百名山でも知られる仙ノ倉山と平標山へ行ってきました。

多くの登山者が、車中泊+日帰りで訪れる人気のコースだけに、正午前に到着した登山口駐車場は予想通り満車。さすがは花の名峰、お花の最盛期にはもっと賑わうことでしょう。

久しぶりに味わう初夏らしい青空とグリーンシャワーの森林浴。沢沿いの涼しさに癒されたのもつかの間、その先は長い林道歩きと暑さに耐えながら緩い登り坂を歩きました。大きなリュック〈ultimate 60〉を背負っている姿を見た下山者から、「テント場いっぱいだったよ」と声かけられ、少し焦りつつ山小屋へ到着。

山小屋の蛇口から流れる美味しい天然水で生き返り、空いたスペースに何とかテントを設営した後は、ガスがかかり始めた稜線の散歩へ出掛けます。あいにく景色は真っ白でしたが間近に咲く花々に魅了されっぱなしで、明日への期待が膨らみます。

沢山の高山植物が咲き誇ることで有名なコースには、まだまだ蕾の花々やイワカガミやハクサンイチゲの群生が現れ癒されます。

夜7時を過ぎても、次々と色を変えていく夕焼け空が、とても美しい夜でした。昼間の蒸し暑さを忘れ、ダウンジャケット〈concordia light down jkt〉に包まれながらシュラフに入り、久々のテント泊を堪能しました。

翌朝は雲の切れ間から青空が覗くまずまずのスタート。テントを撤収し、午前中の天気を信じてピークハントに出発です。

夏山に揺れている印象のハクサンイチゲの花々が、地面から直ぐのところで花開いている姿はとても健気で新鮮。予報通り雲の多い一日になりそうでしたが、なだらかな稜線と背景に広がる山々は360度見渡すことが出来ました。

平標山から仙ノ倉山までは往復のため、平標山山頂にリュックの中身をデポして向かいます。身軽な状態で、雄大な景色のど真ん中を歩く解放感に満たされた時間でした。

ジャケット〈whymper stretch jkt〉を着ると丁度良いくらいの仙ノ倉山山頂からは、谷川連峰や浅間山、巻機山や八海山方面の山々もハッキリと見え、大満足です。

デポした荷物を再びリュックサックにパッキングし、松手山経由で下山開始。多くの登山者とすれ違う、急登に着いた長い階段沿いには可憐な花々の群生が多く見られました。

目の前には、大きな山頂台地の高層湿原が魅力の苗場山。新緑の尾根と相まった姿を見ながら、「空を青く塗りた~い」と何度思ったことか。不安定な天候が続く中、久々に訪れた上越の名峰はやはり初夏に相応しい魅力満載の山でした。