The ridge - our essential - vol.4

発売開始からすでに20年以上が経過するカリマーを代表するリュックサック〈リッジ〉。 長年多くの登山者や旅人に愛されてきたこのロングセラーの最新モデルを、あらためてじっくりと考察するシリーズとして4回に分けて詳細をお伝えしていきます。 今回のナビゲーターはカリマーのアンバサダーであり、プロマウンテンアスリート/山岳カメラマンの一瀬圭介さん。 過酷な環境でこのリュックサックを使用し感じるポイントなどを含め、〈リッジ〉シリーズの魅力を解説していただきました。

第4回
サイズ選びや背負い方が快適さを決める

イギリス発祥のアウトドアブランドkarrimor(カリマー)のリュックサックを代表する主力シリーズの1つ〈リッジ〉。「背負いやすく、疲れづらい」という、カリマーが大切にするコンセプトに沿って開発・改良が重ねられてきたモデルです。

これまでのvol.1:進化を続けるロングセラー〈リッジ〉シリーズvol.2:日帰り登山や山小屋泊におすすめの30Lモデル〈リッジ30〉vol.3:縦走やロングトレイルハイキングにおすすめの40Lモデル〈リッジ40〉では、〈リッジ〉シリーズに共通するDNAや、〈リッジ30〉〈リッジ40〉それぞれの機能、容量などについて触れてきました。そして、最終回となる今回は、〜vol.3では紹介できなかった内容に触れながらまとめとさせていただこうと思います。

1)〈リッジ〉シリーズのサイズ選び
2)リュックサックの背負い方
3)リュックサック の重心とパッキング
4)〈リッジ〉シリーズに関連するアクセサリー


1)〈リッジ〉シリーズのサイズ選び

この連載をはじめてから、「この記事を見て〈リッジ〉をご購入しました」というご連絡をいただくようになりました。その中で最も言われるのが、vol.1:進化を続けるロングセラー〈リッジ〉シリーズにて触れた「日本人の体型に合うリュックサック」というポイント。実際のところ「日本で売られているkarrimorの製品が、まさか日本で企画・設計されているとは知りませんでした」というのが最も多いコメントかもしれません。

そして「“荷物を入れて長時間歩いた時に”その重さを感じにくい」というコメントが次に多いでしょうか。これまで使っていたリュックサックと比較すると、背負いはじめは同じような重量感なのですが、数時間経つと差が出てくると。これは、販売店さんの店頭でオモリを入れて試しに数分担いだだけではその差が分かりにくいポイントです。これはリュックサックをレンタルして1日、2日と山を歩いてみると体感として分かって頂けるかと思います。

そのためには、その人の体格や背面長に合わせたリュックサックのサイズ選びも重要になるので、2022年シーズンから現在開店準備中の弊社施設「丘の暮らしと山の旅」のADVENTURE DESKにて、〈リッジ〉シリーズのフィッティングや貸出しを予定(2022年4月以降)しています。日本百名山にも選ばれている福島県の安達太良山にお越しの際は、是非お立ち寄りください(福島県二本松市岳温泉1-104)。

オンラインストアでご購入の際は、vol.1 にて掲載いたしました背面長と〈リッジ〉のサイズの関係を今一度ご確認ください。ウエアのサイズのS /M/ Lを元に発注するのはN Gです。手元に30cm定規しか無いようでしたら、まずはロープや紐などを使って背中に手を回し背面長の長さをチェックし、その長さを机上で定規を当てて測れば正確な背面長を知ることができるかと思います。

とは言うものの、ちょうど背面長がサイズの中間にあたる場合(例えば背面長が約45cmだった場合、「Small」「Medium」のどちらを選択すれば良いのか)、どちらを選ぶべきかという問題があります。背面長がサイズ間のボーダーライン上にある方は、リュックサックの試着の際に、レインウエアや冬季のウエアリングを着て背負ってみましょう。寒い時期には服の枚数が増え必然的に肩の位置も上がることになるため、1年を通じてそのリュックサックを使用する場合には、それも見越したサイジングを行っておく必要があるからです。

参考までに、私の身長は163cmで背面長が約44cm。ちょうど「Small」/「Medium」のボーダーラインで、双方のサイズを実際のフィールドで試してみています。上写真が「Small」サイズを着用した状態ですが、チェストストラップの設定位置を限界まで下げても、その位置が身体に対して少し高い位置にきてしまっているので、「Small」は適性サイズではないことがわかります。

チェストストラップの高さは、上写真のようにグレーの樹脂パーツを上下方向にスライドさせれば調整が可能です。試着の際に、その位置を最も下げても自分の脇の高さよりも上にきてしまう場合は、ショルダーハーネスの長さが適正ではない可能性があるので、上のサイズを選択する必要があるかもしれません。ただし、それは「正しくリュックサックを背負った状態で」ということが前提になるので、次章の「リュックサックの背負い方」を参照してみてください。

また、「Small」/「Medium」の境界線においては、お伝えしておくべきポイントがもう一つあります。vol.1でもその話題に触れましたが、「Small」サイズのショルダーハーネスは、女性向けのフィッティングを考慮して設計されているということです。同じ身長だったとしても女性の方が華奢な場合が多く肩幅も狭いため、ショルダーハーネスを肩の上に乗せられる幅は相対的に狭くなります。荷重分散を考えれば設置面積は広い方が良いのですが、必要以上に幅が広すぎると、鎖骨や首筋そして肩の関節(上腕骨頭)に干渉して違和感となったり、痛みがあれば運動時のパフォーマンスの低下にもつながってしまいます。

そのため、同じ容量:〈リッジ30〉の「Small」/「Medium」を比べてみても、ショルダーハーネスの首に当たる部分で0.5cmの違い、当然ハーネスの長さが異なります。また形状に関しても「Small(上写真:ブルー)」は、女性の胸との干渉を少なくするため、ハーネス下部にかけては「Medium(上写真:レッド)」や「Large」よりも湾曲が大きくなるように設計されているのです。

私が所有している〈リッジ30〉「Small」をしばらくお貸しして使用いただいた女性の方(身長158cm)は、今まで使っていたリュックサックは長時間背負っているとショルダーハーネスが鎖骨に擦れて痛くなってしまうことが多かったようですが、〈リッジ30〉「Small」では、それが無かったとのことで、その後同製品をお買い求めいただいたようです。[上写真:〈リッジ30〉「Small」サイズ]

また身長が165cm以上で背面長が45cmを上回るくらいの女性が「Small」と「Medium」のどちらを選ぶべきか・・と質問されることがありますが、実際に背負ってみると「Medium」が正解になることが多いです。それは先に述べたようにチェストストラップの位置(高さ)が合っていない状態になることが多く=ショルダーハーネスの設定長さと体格が合っていないということになるからです。[上写真:〈リッジ40〉「Small」サイズ]

2)リュックサックの背負い方

ここまで、〈リッジ〉の設計に込められた様々なポイントをご紹介してきましたが、野外で長時間ストレスなく背負い続けるためには、前章にも記載した「サイジング」に加え、「正しい背負い方」を知っておく必要があります。本章では順を追って、リュックサックの背負い方についておさらいしてみたいと思います。ハーネスを締める順番や目安になる位置など、改めてチェックしてみてください。

まずは背負う前の段階ですが、ファスナーが開きっぱなしではないか、各ストラップの締め忘れがないか、指差し確認してみましょう。特にフロントジッパーポケットやリッド(雨蓋)ポケット・外側、ヒップベルトジッパーポケット両側の計4箇所は、簡単にアクセスしやすいがために、休憩でリュックサックを下ろすたびに開閉する頻度が高いファスナーでもあります。

複数人で行動していれば、ポケットから何かが落ちれば、後ろを歩く人に気付いてもらえるかもしれませんが、単独行であれば山の中のどこでそれを落としたかを突き止めるのも大変です。それを探しに戻ることによって、様々な角度から安全性に関するリスクも高まりますので、他人のリュックサックを含めファスナーを常にチェックすることを心がけましょう。

私は、中身を落としても気がつかない可能性の高いフロントジッパーポケットとヒップベルトジッパーポケットのスライダーに、小型のホイッスルなどを付けたり、細引きの色を変えることによってスライダーの位置を可視化し、開閉状態を直感的にチェックできるようにしています。特にヒップベルトジッパーポケットは、行動中に補給食などを取り出しそのまま閉め忘れることもあるので、歩きながら手で触れてスライダーの位置をサッと確認できるよう、触覚も気にしてアクセサリーを選ぶと良いでしょう。

次に、コンプレッションストラップ類のチェックを。緩みがあると周囲の木の枝などに引っかかるというリスクもありますが、ストラップ類を緩みなく絞める第一の理由は、中の荷物がリュックサックの中で遊ばないようにすること。荷物が左右に動けば歩行時のバランスを損ねる要因にもなってしまいます。特に容量に対してメインコンパートメント内の荷物が少ない時は、サイドコンプレッションストラップ(上下)をしっかりと絞めることによって、荷物の重心が身体に近づくので、歩行時のバランスが取りやすくなります。

さて、ここからは「背負い方」について順を追って記載していきます。リックサックの荷重をうまく分散させることによってバランスが取れ、歩行も安定します。どこか一箇所にストレスが集中すると歩行時のバランスが崩れ、やがてそれが原因で腰が痛くなったり、膝が痛くなったり。逆にバランスよく背負うことができていれば荷重が分散し、同じような重量を背負っても、格段と軽く感じることでしょう。

何はともあれ、まずはショルダーハーネスを両肩に掛けなければ始まりません。ただし、重い荷物を地面から持ち上げ背負いあげるのは、身体に負担がかかるので慎重に行いましょう。片手で勢いよく持ち上げるのはNG。バランスを崩して転倒する可能性があるばかりか、腰を痛める可能性もあります。地面から持ち上げる場合には、両手で持ち上げて膝に一度乗せてから、身体をねじりショルダーハーネスに肩を通していきましょう。上写真のようなベンチや安定した大きな岩などがあれば、それらの上にリュックサックを乗せてから肩を通すと身体にかかる負担を少なくすることができます。

両肩にショルダーハーネスを通したら、次はヒップベルトを締めます。ここで注意が必要なのは、ヒップベルトを締める位置(高さ)。ウエストのくびれの高さで締めている人もいますが、腰骨の適切ではない箇所に荷重がまともにかかってしまい、腰への負担が高まります。長時間の歩行で腰の痛みが出てくる方の中に、この背負い方をしている人が多いように思われます。

正しいポジションは、上写真の破線=ヒップベルトの凹み部分と腰骨の一番出っ張っている部分が合う高さです。その位置で締め込むことにより、ヒップベルトの凹みが腰骨を包み込むように立体的に折れて「くの字」になり、安定します。この時点では、まだショルダーハーネスを締めていないので、腰に荷重がズシッとかかった状態です。

このヒップベルトの正しいポジションで、腰に荷重がかかった感覚をまずは身体に染み込ませ、無意識にこの状態までセッティングできるようになりましょう。この時点では腰にほとんどの荷重がかかった状態ですが、この次にショルダーハーネスを引いて締めていくことによって、腰にかかる荷重を70パーセント、肩を30パーセントくらいに調整します。

ヒップベルトにかかった荷重を感じながら、ショルダーハーネスのストラップを左右均等に引っ張り、肩に荷重をかけていきます。前の行程でセッティングしたヒップベルトがズリ上がらないように注意し、肩への荷重が3割くらいになるように調整していきます。「3割と言われても・・」となると思いますが、あくまでも感覚値ですので、まずは頭の片隅に「腰7:肩3」を入れておき実践してみてください。

なお、リュックサックをおろす時や、調整の際に少し締めすぎたストラップをゆるめるため、リリースするには、上写真の青色の円で囲んだ樹脂パーツ下端を指で手前に持ち上げます。慣れれば背負ったまま微調整できるようになります。また、左右の長さをできるだけ均等にして、片方の肩に荷重がかかりすぎないようにしてください。

ショルダーハーネスの締め具合が決まれば、次はトップテンションストラップ。ショルダーハーネスの付け根部分にあるストラップです。使用されている樹脂パーツはショルダーハーネスの長さ調整部と同じものなので、使い方も同じです。このストラップにテンションをかけることによって、リュックサックが左右に揺れる横ブレを制御します。

また、リュックサックの上部=リッド(雨蓋)部を身体に引き寄せることによって、荷物の重心が背中から離れていくことを防ぎます。特に重いものを背負った時に、その「引き寄せ効果」を感じますが、このトップテンションストラップも締め過ぎには注意が必要です。限界近くまで引っ張ることによって、その瞬間は荷物が軽くなったように感じますが、肩の可動域が制限され、ショルダーハーネスも浮き上り、正しい荷重分散ができなくなります。

トップテンションストラップの締め具合の目安をコトバにすると・・「緩みを取り切ってテンションがかかった次の瞬間に手を離す」という感じでしょうか。歩いているうちにそのうち緩んできますが、慣れればその緩みを肩で感じることができるようになります。そうしたらまた「テンション!」の繰り返しです。

いよいよ最後の仕上げは、チェストストラップです。これは、歩行時にショルダーハーネスがズレて動かないように、両肩のショルダーハーネスを繋いでテンションをかける役割を果たします。そのため、緩すぎても意味がなく、強く引っ張り過ぎるのもせっかく調整したショルダーハーネスストラップの長さに影響を及ぼすためNGです。

普段、山で登山者を見ているとこのチェストストラップを強く締めすぎている方の割合が多いように感じます。ここを締めることによって、肩まわりがタイトになって、フィット感が高まるように感じるかもしれませんが、ショルダーハーネスが首元や鎖骨と干渉して痛くなる可能性があります。またショルダーハーネスの肩側が浮いてきてしまうため、身体と接する面積が減ることになり、荷重分散の割合も大きく変わってしまうことから、特に“締め過ぎ”には注意が必要です。

なお、このチェストストラップは高さの調整が必要です。一度設定すれば、ウエアリングの厚さが変わる冬季以外は、ほとんど同じ設定で使用できるかと思います。チェストストラップの付け根にあるグレーの樹脂パーツをよく見ると、縦方向にスライドする構造になっていますので、まずは脇の付け根の高さに合わせてみましょう。その高さで実際に使用してみて、あとは使用しながら上下に微調整してフィット感を試してみてください。リュックサックの各部ストラップは行動中に緩むものだと思って、1日に何回も調整する癖をつけましょう。

3)リュックサックの重心とパッキング

リュックサックにモノを詰めるときは「重いものはできるだけ背中の近くに、そして重いものは底には入れないように!」ということは、登山雑誌などで目にしたり、はじめて山に連れて行ってもらった人から聞いたことがあるかもしれません。一般的に「何故そのように言われているのか」を少し考えてみると、パッキングの際に迷いなくグルーピングできるようになります。

その考え方はリュックサックの種類や容量が変わっても応用できますし、次に購入するリュックサックを選ぶときにも、自分にとってパッキングしやすいか否かを判断できるようになるでしょう。これは登山用のリュックサックに限って言えることではありません。最近はビジネスバッグをリュック型にする人が多くなりましたが、重たいパソコンや紙の書類をどこに入れるとよいのか・・そのようなことにも応用が可能です。

私は山以外の活動では、上写真の〈トリビュート40〉を使用しています。ビジネスからトラベルまで対応する「大型のデイパック」として売られていますが、私はすでに3年以上、どこに行くのもこれと一緒です。その理由は明確で、このトリビュートシリーズの中でも、特にこの40Lサイズ(同シリーズのリュックサックには25L、20Lモデルあり)の〈トリビュート40〉は、外観はデイパックであるものの、構造自体は登山用のリュックサックを踏襲していて、ハーネスの調整やパッキング次第で重い荷物も楽に運べるからです。

メインコンパートメント部分も、本章の冒頭の図で言えば、「B+D」と「C」のようなかたちで分かれていています。「B+D」はフルジップ仕様で大きく開くので、スーツケースのようにモノを出しれ可能で、パッキングの際に使用頻度で上下に配置を分けられます。重量が重いパソコン専用のスリーブは「C」エリアにあり、使用頻度が高い小物を入れる大きなポケットが「A」エリアにあります。荷物が少なければコンプレッションベルトで荷物を背中側に寄せられ、必要に応じてヒップベルトも出すことができます。

そして背中に当たるパッドの考え方もvol.1に記載した内容を覚えてくれていれば「〈リッジ〉と同じだ!」と思っていただけると思います。ちなみに〈リッジ〉と同じく、専用のレインカバーが付属していて、それを入れておく専用のポケットもあります。私の中では〈トリビュート40〉は姿をデイパックに変えて都市に出てきた〈リッジ〉。でも冗談ではなく、間違いなくリュックサック作りの共通した思想が感じられます。これから登山をはじめようかなと思っている方であれば、まず〈トリビュート40〉を普段の生活やビジネスシーンで使用しながらパッキングの考え方を身体に染み込ませ、それを登山用のリュックサックに転用してみるとよいかもしれません。

では、リュックサックの重心の話に戻りましょう。「体の重心(ブルー)」と「リュックサックの重心(ピンク)」の関係を上図に示しています。「体の重心」は、前章の背負い方の解説で登場したヒップベルトのパッドの中心=腰骨部分をイメージしてください。見ていただきたいのは、リュックサックに描いた「リュックサックの重心」と「体の重心」の距離感です。この距離が大きくなれば大きくなるほど後方に引っ張られる力が大きくなります。すなわち、同じ荷重だったとしても、それを支えるために必要な力は身体から離れた「B」に重心をおいた方が大きくなります。

それを踏まえて、次はこの図を見てください。リュックサックを背負って歩くということを考えると、身体の軸はある程度前方に倒れます。傾斜によってもその傾きは変化しますが、「C」のエリアに「リュックサックの重心」があれば、「リュックサックの重心」と「体の重心」の距離は小さくなることはあっても、離れていくことはありません。

では「D」のエリアに重いものをパッキングするとどうなるでしょう。直立した姿勢に近くなると、「体の重心」よりも「リュックサックの重心」が低くなる場合があり、急斜面などでバランスを崩すとそれが転倒や滑落の原因にもなるため、安全性の観点からも「底に重いものをパッキングしない」ことに留意しましょう。また、逆に「A」のエリアに重いものをパッキングするのはどうでしょうか。「リュックサックの重心」が「体の重心」から離れれば離れるほど、慣性モーメントの観点から「D」とは別の要因でバランスを崩す可能性が高まるため、こちらも注意が必要です。

4)〈リッジ〉シリーズに関連するアクセサリー

最後に〈リッジ〉シリーズに関連するアクセサリーに触れておきましょう。まずは「リュック用レインカバー」。これまでの回でもご紹介してきたように、〈リッジ30〉〈リッジ40〉の両モデルには、専用のレインカバーが付属品としてつき、それぞれリュックサックの内側に専用の収納ポケットも配置されています。

山の天気は変わりやすいので、意外と出番のあるレインカバー。急な雨や雪から荷室の濡れを防ぐため、まずは面倒臭がらずにレインカバーを出すこと、そして使用したら、次の山行までに乾かして専用ポケットに戻しておくことが大切です。山に出かける前の忘れ物チェックで、ガスバーナーを持ったかは指差し確認しても、レインカバーのチェックは抜けがちです。

また、レインカバーは紛失してしまう機会も少なくないアイテムでもあります。例えば、前日の雨で山小屋の乾燥室に干しておいたレインカバーをそのまま置き忘れて帰ってきてしまったり、場合によっては他の人が取り違えて持って帰ってしまったり。稜線では突風で飛ばされてしまう場合もあるので、それを防ぐためにも、必ず背面側のベルクロストラップを繋いでリスクを低減しましょう。

それでも無くなってしまった場合には、アウトドアショップへ行けばレインカバーだけでも購入することは可能です。でも、せっかくであれば、〈リッジ〉には、雨の日もカリマーのロゴをつけて歩きたいところ。そのような方のために〈リッジ〉専用ではありませんが、カリマーではレインカバーのみも販売しています。リュックサックにサイズがあるように、当然ながらレインカバーにもサイズがあります。〈リッジ30〉用には〈サックマック レインカバー30-45〉、〈リッジ40〉用には〈サックマック レインカバー40-55〉を選びましょう。[上写真:〈サックマック レインカバー30-45〉※その他のカラーバリエーションあり]

リュックサックとレインカバーのサイズが合っていないと、隙間から風が吹き込んで飛ばされそうになることもあるので、サイズ選びは慎重に。また、両サイドのワンドポケットに大きなボトルなどを入れていたりすると、収まり切らない場合もあるので、自分のレインカバーがどのくらいの容量をカバーできるのか、事前にチェックしておきましょう。[上写真:〈サックマック レインカバー40-55〉※その他のカラーバリエーションあり]

続いて〈リッジ〉に外付けすることができるアクセサリーをいくつか紹介します。上写真は現在販売しているトレックキャリー=TCシリーズのラインアップです。その中でも②、③、⑤がリュックサックに取り付けることができる製品で、このあと〈リッジ〉との組み合わせを含めて詳しく紹介していきます。

① 〈TCサコッシュ〉②〈TC パッデッドポーチ〉 ③ 〈TCヒップベルトポーチ〉④〈TC パース〉 ⑤〈TCショルダーポーチ〉

②は今シーズンの新商品〈TC パッデッドポーチ〉。上部のフックと背面のイラスチックコードを使用し、ショルダーハーネスに固定できる小型のポーチです。H19.5cm × W11cm× D3.5cm(容量1L)と、この手のポーチの中では大きめのサイズ感ではあるので、比較的大きなスマートフォンに保護ケースをつけた状態でも余裕を持って収納することが可能です。左側面にはストラップアンカーがついているのでコンパスの紐を取り付けて、コンパス本体は前面のフロントオープンポケットへ。内張りは起毛素材になっているので、サングラスを直接いれるのにも便利です。上写真のリュックサックは〈リッジ〉ではありませんが、〈リッジ〉のショルダーハーネスにも問題なく取り付けることが可能です。

③、⑤は以前から販売されているカリマーのアクセサリーの定番商品です。③はヒップベルトに取り付けることで、リュックサックを下ろさずにアクセスできる身体の側面部に収納容量を増やすためのポーチ〈TCヒップベルトポーチ〉です。外側には補給食などを入れておくのに便利な伸縮性のあるオープンポケットがついています。メイン部分はサイズがH21cm × W15cmあり、500mlのペットボトルや地図を携行することがでます。

口の部分にはドローコードがついているので、閉めれば中身が飛び出してくることはありません。500mlのペットボトルもちょうど口の部分が出る状態になるイメージです。上部につけられたカラビナ状のフックとイラスチックコードを使用して〈TC パッデッドポーチ〉のようにショルダーハーネスに取り付けることが可能です。

最後に⑤の小型なショルダーポーチ〈TCショルダーポーチ〉をご紹介します。このデザインも以前からあるカリマーのオプションポーチの定番で、山にいくと、リュックサックのブランド問わず、肩にこのポーチを装着している人を多く見かけます。サイズはH20cm×W11cmで容量は0.7L。フロント部分がマチ付きのストレッチメッシュになっているため、見た目以上に多くのものを入れることが可能です。

ファスナーは縦についているので中身が見やすく取り出しやすいのも特徴です。またこのポーチは左右どちらでも使えるユニバーサル仕様。カラビナを簡単に外して付け替えれば反転させて使用することができ、もう一つ買い足せば両肩に取り付けられます。上写真のように〈リッジ〉のショルダーハーネスにも問題なく取り付けることが可能です。

現在販売されているTCシリーズのカラーバリエーションはこちら(上写真)。定番のブラックに加え、今シーズンは落ち着いた色彩のパターンが揃っています。自分のリュックサックの色に合わせて、コーディネーションを考えるのも楽しいですね。簡単に取り外しができるので、その時に必要なオプションを選んで、快適な山旅にお出かけください。

全4回にわたってカリマーのロングセラーモデルの徹底解剖を行なってきましたThe ridge - our essentialシリーズもこれでおしまいです。正直なところ「リュックサックを1つ選ぶのに、ここまで多くの情報が必要なのか?」と思いながら綴ってきたところもありますが、長年に渡ってカリマーの設計者が考え抜いて作られたこのシンプルなリュックサックであるが故に、表層ではなく深部に触れながら語り継がなければならないという想いもありました。

素材の進化や山行スタイルの潮流に応じて、この〈リッジ〉シリーズも、日々開発が続けられていくものと思われます。ただし、ヒトの骨格が大きく変わったり、地球上の重力がなくならない限り、その根底に流れている考え方のプラットフォームは揺るがないでしょう。稜線を意味するシリーズ名“ridge”。その名が示す通り、カリマーのリュックサックの背骨となり、今後も語り継がれるシリーズがここにあります。

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