ultimate project第2弾はビッグウォールをテーマに掲げ、クライミングに特化したプロダクトを開発する。世界中のビッグウォールのなかでもその最高峰といえるのがヨセミテだ。製品開発とフィールドテストに携わるクライマー3名はいかにしてヨセミテへと挑んだのだろうか。
日本でやっていた
クライミングが
通用しない場所です(成田)。
実はヨセミテに行くのは初めてだったんです。クラックのクライミングはすごく好きなのですが、機会があれば行きたいと思っていました。実際に行ってみると、聞いていたのとは全く違う。わかっていたことですが、ヨセミテはとにかく壁が大きい。日本でやっていたクライミングが通用しない場所です。
例えば、10aのルートひとつとっても、長くクライミングをつづけなければなりません。そのための持久力と消耗せずに早く登る技術も必要です。さらに、日向と日陰の気温差が日本では考えられないほど大きくなるため、コンディションにも気をつけなければなりません。
毎回自分を成長させてくれる場所
(稲田)。
ヨセミテはとても大好きで、何度も訪れているところです。ロッククライミングの聖地と言われているだけあって、質の高いルートがたくさんあります。毎回、自分を成長させてくれる場所です。
これまでビックウォールだけでなく、スポートのショートルート、ボルダーも登ったことがあります。以前の経験をもとに製品開発を進めていきました。岩はやはり大きく、ルートが長いのでそういう意味での難しさはあると思います。
それは登攀スピードを早くすることと、ランナアウトに耐えることなど、タフなシーンがいくつもあります。日本でトレーニングするなら、通常の2倍やらないとヨセミテでは通用しないという感じですね(稲田)。
既存の製品にはない機能や
実用性、快適性を追求(船山)。
ヨセミテは、クライミングを始めた頃に本で読んだことがある憧れの場所。ビックウォールといっても、ヨーロッパのそれとは違うのでずっと緊張していました。テスト前には国内でトレーニングをして、スピードや効率の向上、ロープワークもビッグウォールを想定した技術を習得をしました。
製品開発は、やはりビックウォールに耐える製品をつくるということ。耐久性も含め、使いやすさ、クライマー目線で何がいいのかを改めて考え直し、既存の製品にはない機能や実用性、快適性を追求していきました。
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