山岳 / アウトドアライター・高橋庄太郎が
定番リュックサックの新作2モデルを使用レポート
ridge 40+ & CougarApex 60+
Field Impressionカリマーを代表する、リュックサックの2大定番モデル<リッジ>と<クーガーエーペックス>。長年、多くの登山者や旅人に愛され続けてきた2つのロングセラーモデルが、この春、ディテールをアップデートして、さらに使いやすく生まれ変わりました。この最新モデルを「山岳/アウトドアライターの高橋庄太郎さん」が背負ってフィールドを歩き、それぞれの使い心地をレポートします。使用したサイズは<リッジ40+>と<クーガーエーペックス60+>。1年の半分ほどはフィールドに出ていると言う高橋さんだから気がつく、それぞれの特徴や違い、最適な用途の提案をフィールドから届けてもらいましょう。
山岳/アウトドアライター
高橋庄太郎
1970年、宮城県仙台市生まれ。高校の山岳部で登山と出会い、山に魅せられる。出版社勤務、2年間の世界放浪旅を経て、フリーランスの山岳/アウトドアライターへと活躍の場を移す。著書に『山道具 選び方、使い方』、『テント泊登山の基本テクニック』(ともに山と溪谷社刊)、『“無人地帯”の遊び方』(グラフィック社刊)など。近年は山岳専門誌、アウトドア雑誌のライター業のみならず、アウトドアWEBメディア等での記事連載やテレビ/イベントへの出演など、精力的に活動し、アウトドアの魅力を発信し続けている。
山岳 / アウトドアライター・高橋庄太郎が
定番リュックサックの新作2モデルを使用レポート
どこまでも進化を止めず、ハードに使えるタフな“大定番”
フィールドインプレッション<リッジ40+編>カリマーを代表する、リュックサックの2大定番モデル<リッジ>と<クーガーエーペックス>。最新モデルを「山岳/アウトドアライターの高橋庄太郎さん」が背負って歩き、それぞれの使い心地をレポートします。まずは、日帰り登山から山小屋泊、テント泊にまで幅広く使える人気モデル<リッジ40+>を背にフィールドに向かいました。
1. 最新のリッジは中型モデル
僕はかつてカリマーの“リッジ”を愛用していた。白い長方形の中にカリマーという文字が刺繍された古いロゴを使っていた時代のもので、くすんだグリーンはいかにもアースカラーといった雰囲気。山にも街にもなじんで見えた。いつだったか、その見た目がいたく気に入ったという人にプレゼントしてしまったために今は手元にないが、容量はたしか20Lだ。だから、僕のリッジのイメージは、“小型モデル”である。ところが、最新のリッジは、基本設計はどれも変わらないものの、容量の展開が30L、40L、50Lの3種。僕のイメージよりも大きめだ。また、背面長にS~Lのサイズ展開があるところも小型モデルらしくない。つまり、現在のリッジは小型モデルとはいえず、中型モデルの範疇なのだ。昔のリッジを知っていると、この変化は興味深い。ディテールをチェックしていくのも楽しいものである。
2. 肉厚な背面パッドの通気性が高いわけ
さて、僕が3つの容量の中間になる“リッジ40+”を手にして、はじめに確認したのは背面の構造とハーネス類だ。リッジの背面パッドは、非常に肉厚である。背中に当たる部分は2㎝ほどで、腰に当たる部分はそれ以上だ。これは弾力性とクッション性を高めることに貢献しているが、それだけではない。
着目したいのは、“パッドがない部分との高さの差”である。パッドが高ければ高いほど、パッドのない部分に大きな空白が生まれ、背中の通気性が高まるのだ。そのようなパッドのない部分はとくに中央部分に大きく、背負ってみると背中に風が抜けるのがよくわかる。僕が使っていた古いリッジも背面パッドのクッション性は良好だった。しかし通気性はそれほど高くはなく、長時間背負っていると蒸れを感じた。同じ“リッジ”というモデル名ながら、新旧を比較すると、やはり最新型は機能が充実しているのである。新しいリッジのショルダーハーネスの裏側は、背面パッドと同じように通気性と速乾性が高いメッシュ素材だ。首元のみ、そのメッシュ素材が表側に出て、クッション性と肌触りのよさを上げている。
3. ヒップベルトの調整で腰回りのフィット感がアップ
ヒップベルトの上のポケットは、裏側にある面ファスナーでベルトに固定されて、ベルトのリュックサック本体に近い部分にも別の面ファスナーとストラップがつけられている。これらの面ファスナーを張り付ける位置を微調整すると、ヒップベルトの開き方の角度が変わり、腰回りのフィット感はますます高まってくる。
チェストストラップの調整がしやすいのは好印象だった。そのストラップはショルダーハーネス表面の特殊レールに取り付けられており、力を使わずに上下へ移動できる。
以前のリッジのショルダーハーネスはもっと簡素で、ヒップベルトは付属すらせず、幅が太めのベルトがついているだけだった。それに比べると、最新型リッジの充実ぶりには驚くばかりだ。チェストストラップには緊急事態を周囲に告げられるホイッスルまでつけられており、少々陳腐な文句だが、これこそまさに「進化する定番」といえるだろう。
4. 荷室へのスムーズなアクセス方法
昔のリッジを引き合いに出すのはこれくらいにして、ここからは現代モデルの収納力を確認したい。トップリッド(雨蓋)を開けると、荷室へアクセスする巾着部分が現れる。ここには赤い引き手が2つつけられており、どこに指をかければいいのか、位置がすぐにわかる。そして両手で持って引くと、一気にフルオープン。手間がかからず、スピーディだった。
閉めるときも、コードを引くだけである。この部分の使い勝手にはストレスがない。
5. トップリッドに秘められた“ありそうでない工夫”
トップリッドのポケットには、“ありそうでいて意外と少ない”工夫が加えられていた。リッドには表側と裏側それぞれに重なるようにポケットが設けられているが、それらの仕切りになるパネルにも別のジッパーがつけられているのである。これがどういうことなのかといえば……。下の写真を見てほしい。
青いものは、どちらも付属のレインカバーだ。内部の仕切りにジッパーがあることで、表側と裏側のポケットが内部でつながり、例えばこの写真のように、裏側のメッシュポケットに入れておいたものを、表側のポケットからも取り出せるというわけである。これが意外と便利だ。
6. 2種類のサイドポケットは僕ならこう使う
両サイドにはフラップで覆われ、まるで隠されたかのようなジッパーがあり、ここが縦42㎝、奥行き16㎝ほどの大型のポケットになっている。
ただし、この部分にはマチがとられていないため、中身を入れれば入れるだけ、メインの荷室に向かって膨らむ。そのために、あまりかさばるものは入れないほうがパッキングはしやすいだろう。しかし、左右のポケットにそれぞれレインジャケットとレインパンツを入れたり、行動食を種類分けして収めたりと、非常に便利。アイデア次第で多様な使い方ができそうだ。この“内蔵”大型サイドポケットの下には、“外部”サイドポケット(ワンドポケット)も別に設けられ、メッシュ素材が使われている。乾きがよいので、なにかと濡れやすい飲料ボトルなどを入れるのによいが、ポケットの大きさにはかなり余裕があるため、小型ボトルよりも少し太めの1L程度のボトルのほうが相性はよい。
7. ヒップベルトとフロントポケットの使い途
ヒップベルトの上のポケットには、折り畳んだ登山地図や小さめのスマートフォンなどが収められる。
このポケットはそれほど収納力が高くはないが、これ以上にボリュームがあれば歩行中に手が当たって邪魔になるだろう。そういう意味では、必要十分なサイズ感である。フロントにも大型のポケット。マチは10㎝ほどで、ヘルメットが収納できるくらいの大きさだ。奥のほうは少し狭いため、パッキングの仕方によっては上部からヘルメットが少々露出することもあるが、その上から固定できるストラップとバックルが3ケ所にあり、滑り落ちるような心配はなさそうだ。
このポケットの外側には、さらに別のポケットがある。厚みはないが、薄くたたんだウィンドシェルなどを入れるのに適している。僕ならば、トップリッドのポケットに入っていたレインカバーをここに入れ直すだろう。
8. 取り外しできない一体型トップリッドの長所
ところで、現代のリュックサックのトップリッドは本体から取り外し可能なタイプが多いのだが、リッジは背中側につけられた長い生地によって本体と連結している。言い換えれば、トップリッドと本体が一体化しているのだ。これは一部のクライミング向けリュックサックに似た特色で、不要なときにリッドを取り外せない代わりに、頭上から降り注ぐ雨水が内部に浸透するのを緩和したり、間に挟み込んだものを落としにくくしたりという長所も持っている。
写真は、クライミングをイメージして、ロープを挟んでみたときのものだ。背面から延びる生地によって、ロープが確実に固定されていることがわかるだろうか? そういえば、リッジに使われているメイン生地は、強靭極まる210デニールのミニリップストップナイロン。一般登山はもちろん、岩場が多いハードな山でも便利な工夫が加えられ、安心して使える素材が用いられているのが、リッジというモデルなのである。
今回使ってみた40Lは、小屋泊や荷物が多くなる冬季の日帰り登山によさそうだ。30Lならば無雪期の日帰り登山、50Lならばテント泊登山でも活躍するだろう。
9. リッジは「進化を続ける定番」モデル
繰り返すが、リッジは「進化を続ける定番」モデルだ。僕のように以前のリッジを知る者は、全体的にスマートなフォルムや強靭な素材などの変わらぬ点に、なんだかホッとさせられる。一方、背面パッドやハーネス類のように進化した部分を見ると、やはり感心してしまう。カリマーの代表作であるリッジは、ますます使いやすいものへ変貌したようだ。伝統のモデルを現代の技術とアイデアでブラッシュアップした“2022年最新型”リッジ、一度は試してみてもらいたい。
山岳 / アウトドアライター・高橋庄太郎が
定番リュックサックの新作2モデルを使用レポート
“通気性”と“収納性”に秀でる、新しいスタンダード
フィールドインプレッション<クーガーエーペックス60+編>カリマーを代表する、リュックサックの2大定番モデル<リッジ>と<クーガーエーペックス>。それぞれの最新モデルを「山岳/アウトドアライターの高橋庄太郎さん」が背負って歩き、使い心地をレポートします。リッジ40+編に続いては、テント泊縦走や雪山登山を主戦場にする大型モデル<クーガーエーペックス60+>を解説してもらいましょう。
1. 放浪時代の相棒はカリマーだった
僕は2000年代の初頭、2年間ほど国内外を放浪していたことがある。そのうち半年ほどはシベリア鉄道やアムトラック、グレイハウンドなどを使って北半球を陸路でまわり、山中のトレイルを歩いたり、原野の川をカヤックで下ったりしていた。そのときの相棒が、容量を100L以上にも拡張できるカリマーの“インディペンデンス”というモデルだ。会社を辞めたばかりの僕には“インディペンデンス”という言葉が非常に魅力的だったし、当時の僕にはなによりその巨大さが必要だった。
当時はスマートフォンなどというものは存在せず、小型パソコン、CDプレイヤー、カメラ、携帯電話などをそれぞれ持ち、そこに着替えや洗面用具、そして大量のキャンプ用具が加わった。活字中毒の僕は10冊以上の文庫本までリュックサックに放り込み、荷物の重さはつねに25㎏近くあった。荷物は重かったが、本当にいい旅だった。僕が死ぬまで忘れない、あのすばらしい旅は、カリマーのインディペンデンスとともにあったのだ。しかしそれ以来、インディペンデンスの出番はない。容量100Lは普段の登山にはほとんど必要なく、現在の僕がテント泊に使うリュックサックの多くは50~70L程度だからだ。その点、カリマーから今季登場した“クーガーエーペックス60+”は、非常に使いやすいサイズ感である。
「60+」と名付けられた理由は、本体とポケットで容量60Lに加え、リッドの部分の拡張によって容量をさらにプラスできるからだ。食料や飲み水をたくさん持って2~3泊のテント泊を十分にこなすことができ、なおかつ内部に入れるものがない場合も持て余すことがない。
2. 通気性を向上させるパッドの配置
このクーガーエーペックス60+は、さまざまな特徴を持つ。そのなかでも僕がもっとも注目したのは背面の構造だ。一目でわかるだろうが、大型モデルのわりに背面パッドの面積は少ない。ショルダーハーネスから延長した縦2本のパッドと、同様にヒップベルトと一体で腰を覆う2つのパッドのみで、そのほかの部分は省かれているのである。
これは背面の通気性を向上させるための構造だ。縦と横、十字のように空気が通り、背中にかいた汗が発散しやすいのである。重い荷物を背負って汗ばんでくるほど、この背中の涼しさはよくわかるはずだ。パッドの表面に使われている素材は目の粗いメッシュで、吸湿速乾性に優れている。触ってみると見た目以上に張りがあり、耐久性は上々だ。
3. 背面長を背負ったままで調整できる
そしてもうひとつ、背面の特徴で見落としてはいけないのが、「サイズアジャストシステム」である。これは文字通り、背面長のサイズを変えられるユニークなシステムで、一般的な“背負う前に調整する”仕組みではなく、“リュックサックを背負ったままで調整する”という独自の方法なのだ。どのような仕組みなのか、簡単に説明しよう。背面中央に位置する2本のストラップは背面パッドに連結。さらにその背面パッドはショルダーハーネスにつながっているため、結果的に2本のストラップはショルダーハーネスにも連結していることになる。このストラップはヒップベルトにつけられたスリットを通り、末端はヒップベルトのバックル近くまで延びている。そしてリュックサックを背負ったままこのストラップを引くと、じつに簡単に背面長が短くなるのである。
なかなかよく考えられた仕組みだと感心する。荷重がかかったストラップを背負ったままで引くのは大変そうにも思えるが、試してみればわかる。意外なほど力はかからず、大きな抵抗もなく、背面がするっと短くなるのだ。本当にスムーズである。注意したいのは、構造上、ストラップを引いて背面長を短くすることはできるが、反対に長くすることはできないということ。あらかじめ背面長を長くしておいてからリュックサックを背負い、少しずつ短くしながら、自分にもっとも適した背面長を探していけば、理想的なサイズを見つけやすいだろう。
4. ヒップベルトに潜む数々のギミック
ヒップベルトにも工夫がある。リュックサック本体から延長された張りのある樹脂製のパネルがヒップベルトの外側に組み合わせられることで、ヒップベルトに荷重がかかりやすいように計算されているのだ。
このパーツがなければ、柔らかなヒップベルトは重い荷物を支えきれないに違いない。地味ながら効果的なのだ。また、表面のポケットを固定する位置には2本の面ファスナー。張り付ける位置を前後に変えることで、ヒップベルトの角度を微調整できる仕組みである。
クーガーエーペックス60+のヒップベルトは見た目がシンプルだ。だが、見えない部分に効果的なアイデアが加えられているのである。
5. 荷室へのアクセスはトップローディング&フロントから次に収納性を見てみよう。
リュックサック本体からトップリッド(雨蓋)を外すと、その裏側にはメッシュポケットが設けられ、付属のレインカバーも収められている。メインの荷室へのアクセスは巾着式で、いわゆるトップローディング式だ。
本体の内側には、取り外し可能な大きな青い袋がぶら下がるようにつけられている。ここにはハイドレーションシステムのリザーバーを収められるのだが、これがなぜ取り外しできるのかは後述したい。
ともあれ、ここからチューブを延ばし、本体のスリットから外側に出せば、行動中にいつでも水を飲むことができる。フロントにはU字型に大きく開くジッパーが設けられている
荷物をたっぷり入れると、この部分のジッパーには内側から大きな圧力がかかり、破損しやすい。だがクーガーエーペックス60+のジッパーは少し太めで耐久性が高く、安心感は高かった。また、このジッパーは止水タイプである。
ジッパーの引き手の隙間などから水が入る可能性はあるので、完全防水ではない。とはいえ、少々の雨水は気にしなくていいのはありがたい。
6. メッシュポケットと2気室構造の活用法
このU字型に開くフロントパネルの上には、メッシュのポケットも付属している。最大で8㎝近いマチがあるうえに伸縮し、ヘルメットのような大きいギアでも難なく収納できる。
通気性もいいので、湿ったウェアを入れておいてもよさそうだ。フロントには下部にもジッパーがつけられ、ここからも荷室へのアクセスが可能である。
内部には巾着式の仕切りがあり、荷室を上下2つに仕分けして使える。つまり、いわゆる2気室構造だ。
ただ、僕はこの仕切りを使わず、いわば“1気室”のままパッキングすることが多い。そのほうが荷物を圧縮しやすく、個人的には便利だからだ。
しかし荷物が少ないときは仕切りを利用し、上の収納スペースにのみ荷物を入れる。すると荷物の重心が上がり、背負ったときに軽く感じるのだ。いずれにせよ、仕切りの仕組みがこのようにシンプルだと、シチュエーションによってさまざまに使えて有用であろう。
7. 細かいポケットのディテール解説
サイドのボトム付近には、1Lのボトルも入れられる大型ワンドポケット。その上にはバックル付きのストラップが位置し、折り畳んだトレッキングポールのように少し長めのものでもしっかりと固定できた。ヒップベルト上のポケットにも伸縮性が高いメッシュ素材が一部使われている。
スマートフォンのように薄いものはもちろんのこと、多少厚みがあるものも余裕で入れられる。僕はこのテストのときに小型カメラを入れていたが、メッシュの伸縮性によって歩行中に内部で揺れ動くこともなく、安心度は高かった。
8. 両サイドのポケットだけで10L近い大容量
ところで、クーガーエーペックス60+の収納力でもっとも特筆すべき点は、両サイドのポケットだろう。外側から見ると、ジッパー部分がフラップで覆われているため、ここにポケットがあることを見逃してしまう人も多いかもしれないが、そのマチはなんと10㎝近くもあり、外側に飛び出るように大きく拡張するのである。それも縦幅は最大約40㎝だ。
自宅に帰ってから500mlペットボトルを入れてみたところ、少なくても片側だけで7本は入れられることがわかった。正確に測ることができれば、おそらく左右で8~9Lくらいにはなるのではないだろうか。このポケットは不必要なときはつぶしておけるので、邪魔にならないのがいいが、僕ならばいつでもすぐに取り出せるようにしておきたいレインウェアなどを常にここへ収納しておく。僕が昔使っていたインディペンデンスにも同様に拡張できるポケットがついていたが、じつに便利だった。このような実用的な工夫が長く引き継がれているのは、昔からカリマーを知っている僕には、なんだかうれしい。
9. おまけ的サブパック付き
最後に紹介したいのが、以下の写真の小型バックである。じつはこれ、本体内部でハイドレーションシステムのリザーバーを入れる“袋”として機能していたものだ。
トグルで本体につけられていただけなので、取り外しは簡単。テント場についてから山小屋に買い出しに行くとき、近くの山頂へ往復するとき、さらには下山後に温泉に行くときなどに、サブバッグとして利用できる。こんなおまけ的な機能はちょっとうれしく、実際サブパックを別に買う必要がないのだから、かなりおトクだ。
10. 暑い夏のテント泊縦走も快適に
こんなクーガーエーペックス60+は、重量2,420ℊ(60L)。現代のリュックサックでこの容量であれば、決して重くはないが、極端に軽いわけでもない。だが本体のメイン素材には耐久性が高い強靭なコーデュラナイロンが使われ、背面の通気性の高さや収納性の工夫などの機能性を考えれば、この重量で抑えられているのは大したことだ。全体的にとてもバランスがいいリュックサックなのである。これからの暖かい季節には、クーガーエーペックス60+の通気性の高さは、とくに注目されそうだ。体力勝負の長距離縦走や、気温が高い低山ハイクなどのときには、ますますそのありがたさがわかるに違いない。暑い夏のテント泊登山の際も心地よく歩いていけるクーガーエーペックス60+は、これからのカリマーを代表する人気モデルとして、山中で愛用していく人が大いに増えていきそうだ。
Photo:Takehisa Goto
今回のフィールドインプレッションで使用した<CougarApex 60+>はサンプルのため、実際の色と異なります。商品写真が実際の生地に近い色となっています。