Karrimor × Coyote vol.05

vol.05

旅に暮らし、暮らしを旅するをコンセプトに、
その先の旅を続けてきた雑誌Coyote。
日々の暮らしから過酷な冒険まで、
あらゆるシーンに寄り添ってきたkarrimor。
日常からの冒険譚をつなぐ。
karrimorのアイテムとともに、
旅人がより憧れる辺境への物語を紹介します。

photography:ただ
text:Coyote

Karrimor × Coyote vol.05

vol.05

旅に暮らし、暮らしを旅するをコンセプトに、その先の旅を続けてきた雑誌Coyote。日々の暮らしから過酷な冒険まで、あらゆるシーンに寄り添ってきたkarrimor。日常からの冒険譚をつなぐ。karrimorのアイテムとともに、旅人がより憧れる辺境への物語を紹介します。

photography:ただ
text:Coyote

アルプスのモルゲンロート

空が白みはじめる頃に目覚めると、窓の外にはユングフラウの巨大な絶壁が屏風のようにそびえていた。標高4158mを誇るユングフラウは、スイスの中央に位置するベルナーオーバーラント地方を代表する山だ。上着を羽織ってベランダに出ると、標高の高さも相まって朝の澄んだ空気が心地よかった。辺りはまだ静寂に包まれ、鳥のさえずりだけが聞こえてくる。

ここミューレンは、谷を挟んでアイガー、メンヒ、ユングフラウのアルプスの象徴的な3つの山と向かい合う崖の上に広がる小さな村だ。ユングフラウの稜線を次第に朝日が真っ赤に染め上げていく。美しいモルゲンロートを眺めながら、まるで山小屋で迎える朝のように、昨日歩いてきた行程を思い返していた。

電車を乗り継いでやってきたラウターブルンネンの村は両脇を切り立った崖に挟まれ、まるでアメリカのヨセミテ国立公園のようだった。崖の上からは氷河の雪解け水が細い滝となっていくつも降り注ぎ、潤った大地には初夏の光景が広がっていた。目的地であるミューレンの村が、この断崖絶壁の上にあるということが信じられなかった。崖の上にあるミューレンには公道が通っておらず、村へのアクセスはロープウェーを乗り継ぐか、崖の上までロープウェーで登って登山列車に乗り換えて向かう2択しかないとされる。

スイスは観光立国として交通インフラが発達しているため、スーツケースで気軽に山の上まで行けてしまう。しかしせっかく憧れのアルプスへ来るのだから、できる限り自分の足で自然の中を歩きたい。そう思って今回のスイス滞在1週間分の荷物はすべてcougarに詰め込んできていた。地図を眺めていると、「アルプ通り」と名付けられた崖の上へ伸びる道を見つけた。その名前に惹かれ、日没まで十分時間もあったので、ミューレンの宿まで道を繋げて歩いて向かうことにした。高低差およそ840m、距離にして10kmに満たないトレッキングコースが即席で出来上がった。

cougarを背負ってつづら折りの坂道が続く牧歌的な風景の中を歩く。荷物の重さは優に20kgを超えていたが、背面パッドとヒップベルトが身体を包み込むようにフィットして荷重を広く分散してくれるので、登りでも辛さを感じずに景色を眺めることに集中できた。三角屋根のシャレーが山の斜面に散在し、広大な牧草地にはタンポポやクロッカスが咲き乱れていた。

崖を越える高さまで登ってくると、万年雪を纏った荘厳なユングフラウとメンヒが前方にそびえ立ち、手前の山に隠れていたアイガーもやがて姿を現した。死の壁と呼ばれたアイガーの北壁が見える。少し歩くだけでアルプスの山々はその姿を変え、西稜を正面にしたアイガーは槍のように尖って見えた。30分置きに列車が行き来し、アルプスをバックに走る登山列車の姿は、まさに思い描いていたスイスの風景だった。

トレイル脇のベンチに腰掛けてアルプスの山々を眺める。かつて魔の山と恐れられていたアルプスを最初に登ろうとした勇敢な登山家や山岳ガイドについて思いを巡らせる。

アルプスの初登頂競争が盛んに行われた19世紀中頃、その主峰を次々に登って山の冒険をリードしたのはイギリス人だった。アルピニズムを育んだイギリス生まれのバックパックとこうしてアルプスを旅しているのも感慨深い。カメラがまだ普及していない時代、登山家たちはこの山々の美しさを大切な人にどう伝えようとしただろうか。山行の記録や思い出として絵を描くことがきっと日常だったに違いない。そんなことを思いながら、スケッチブックと水溶性クレヨンを取り出して目の前の風景を単色でスケッチすると、再びミューレンへと歩き出した。

ユングフラウの稜線を輝かせていたモルゲンロートは徐々に弱まり、やがてアイガーの背後から太陽が顔を出すと本来の白い稜線に戻っていた。スケッチブックを取り出して、昨日色をつけていなかったアルプスの稜線に、cougarと同じ鮮やかな赤色を描き加えた。

背負い心地と疲労軽減を追求した
長期の旅や山行に最適なバックパック

cougar 45-60

29,500yen+Tax

テント泊や長期縦走向けに開発されたラインがアップデート。「carry more」という信念のもと、背面パッドやヒップベルトの見直しや、堅牢性の向上など、長く歩くことを前提にした様々な改良が施されている。より大容量の55-75/75-95、ウィメンズモデルもある。(※サイズによって金額がかわります)

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