長期にわたるヨセミテでのフィールドテスト。コンディションを見極め、毎日のようにさまざまなルートを登っては製品をテストする。そんなクライマーたちが感じたヨセミテの一部をご紹介。
どのルートを登るかがすごく重要で、夜遅くまでみんなで明日どこに行くかを考えていました(成田)。
ヨセミテは、クライマーであれば誰もが訪れる場所なので、私は行かなくてもいいかなと思っていました(笑)。もちろんヨセミテのことは歴史も踏まえて知っている場所。でも、実際に行ってみて驚いたのは、車から上を見上げても、エルキャピタンの頂上が見えないということ。それくらい高さがのあるということなんです。それに車道から岩壁に近いのにも驚きました。
実際に登りはじめると、それは暑さとの戦いでした。岩が鉄板のようで、手に汗をかくと滑ってしまいます。ヨセミテの花崗岩は氷河で削られているので表面がツルツル。フリクションが効きにくいという特徴もありました。
今回のテストでは10日間ほど、ほとんど毎日岩壁を登っていました。とにかく日中は暑いので早めに行動していました。どのルートを登るかがすごく重要で、夜遅くまでみんなで明日どこに行くかを考えていました(成田)。
クライミングという文化・スポーツに対する理解がある国(稲田)。
キャンピングカーで寝泊りしていたのですが、入れ替わり立ち替わり、夜だれかがご飯を自然に作ってくれて。成田さんのご飯が美味しかったですね(笑)。
アメリカには、ビックウォールクラミングというのがアクティビティのジャンルとしてあるということ。また、政府が国立公園としてクライミングという文化をすごく尊重している場所なのだということを再認識できました。資料館や看板などもしっかりと整備されていてクライミングという文化・スポーツに対する国民の理解がすごくあるのだと感じました(稲田)。
日照時間が長いので、21時くらいまで明るく、ずっと登っていました(船山)。
僕はヨセミテの写真集を持っているのですが、その写真と同じ風景が目の前に見えたときに嬉しさがあふれました。そして「ここがヨセミテなんだ」と、唖然としました。一方で観光客も多かったのに驚きました。クライマーにとっては神聖な場所。毎日どのルートを登るか会議をするのが楽しかったですね。
最初はロストラムというルートを登りました。13ピッチほどのルートなのですが、日照時間が長いので、20〜21時くらいまで明るく、ずっと登っていることができました。とにかく結構充実した日々でした。毎日クライミングをすると指の皮がダメージを受けるのですが、ヨセミテの岩はツルツルなので、手がボロボロにはなることはありませんでした(船山)。
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