+karrimor vol.6 西穂高 前編/Martin Holtkampさんとalpiniste 45+10

春を迎え、新緑がまばゆい季節。とはいえ山はまだまだ残雪のシーズン。
今回は、日本の山のなかでも人気の高い穂高エリアを、
東京をベースに活躍するフォトグラファー、マーティン・ホルトカンプさんと巡りました。

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中央道を松本インターで下り、158号線を上高地方面へ。夜が明ける前に新穂高ロープウェイの駐車場へ到着。ロープウェイの始発(8:30)を待って、登山開始! 1308mから2156mまで一気に運んでくれるロープウェイの窓からは、今回目指す西穂高をはじめとする山々を望むことができました。

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西穂山荘までのアプローチは軽アイゼンを装着。昨晩の冷え込みで凍った雪の上を、サクサクと進んでいきます。「東京は春だけど、また冬に戻っちゃったね」と笑うマーティンさん。木々の間からは西穂高の山容が姿を現していました。山頂駅から西穂山荘までの所要タイムは1時間半ほど(夏期タイム)。特に難所はありませんが、斜度のある急登が堪えます。
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登山道の途中で出会ったモグラのような動物。暖かい日差しに誘われて出てきてしまったのでしょうか。雪の上をちょこまかと走り回っていました。マーティンさんは、鳥の鳴き声が聞こえれば、どこにいるのか気になる模様。穂高周辺は、カモシカやクマも棲息する自然度の高いエリア。樹林帯のアプローチも楽しみがいっぱいです。
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空気は冷たいけれど、雪の反射もあって日差しは強烈。防寒着として着ていたフリースを脱いでレイヤリングを調整します。リュックは〈alpiniste 45+10〉をセレクト。クライミングに特化したモデルです。「背負い心地はもちろん、アイキャッチになる上品な赤がいいね」。
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10時を過ぎると雪がだんだんと溶け、アイゼンの効きが悪くなってきます。気温も上がり、インナーでも充分なほど。残雪期はアイゼンやピッケルといった冬期登山のギアが必要ですが、好天に恵まれれば最高のひとこと。春の日差しを浴びながら気持ちよく登っていきます。すれ違う登山客とコミュニケーションを取りながら、アプローチを楽しんでいました。
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コースタイムより少し早いくらいで西穂山荘に到着。今日はここに宿泊予定。先に到着した登山客たちも一休み。「どうやってこんな場所に山小屋を建てたんだい?」と不思議がるマーティンさん。まずはチェックインを済ませて一休み。後半戦に備えます。

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ちょっと早めのお昼ご飯を山荘で。カレーライスをいただきました。「山の上でこんなに美味しいご飯が食べられるなんて日本の山小屋はすごいね。雰囲気もバッチリだよ」。
ちなみに西穂山荘の名物はオリジナルの麺を使ったラーメン。標高が高いため沸点が低く、通常の生麺では美味しくゆで上がらないのだそう。そのため、研究を重ね、2367mという高所でも美味しいラーメンを食べることができるんです。「戻ってきたらラーメンにするよ」とマーティンさん。
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アイゼンは12本のものに付け替え、ピッケルも装備。リュックのなかにはハーネスやカラビナ、シュリングなどのクライミングギアと水とお菓子をパッキングして出発!
西穂山荘の少し上が森林限界。ここからは高度感のあるアルパインゾーンです。柔らかくなった雪にしっかりとアイゼンを効かせ、一歩ずつ確かめるように登っていきます。
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丸山まではなだらかな稜線歩き。好天に恵まれ、風もほとんどないというグッドコンディションのなか、進んでいきます。少しずつ西穂高の山容が見えてきました。右側には西穂独標(2701m)が見えます。ピークにはもうすでに登山客の姿がちらほら。
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後ろには焼岳、さらにその奥には乗鞍岳が聳えています。360度、どこを見ても絶景。ここからは、西穂独標を経て、タフ&テクニカルなクライミングルートへ突入! 後編をお楽しみに!
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Martin Holtkamp(マーティン・ホルトカンプ)

東京を拠点に活躍するドイツ人フォトグラファー。著名人のインタビューやポートレイト、ストリートカルチャーなど手がけるテーマはさまざま。
http://martinholtkamp.com/

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