富士登山は、吉田口ルートから進むと登りが約6時間、下りが約4時間の合計約10時間にも及ぶ有酸素運動となります。普段の生活では、これほど長時間歩く機会はそう多くないはず・・さらにその道が斜面となると、かなりハードですね！このような環境で運動を行うと、身体にはどのような変化が起きるのでしょうか？

今回はkarrimorスタッフの実際の体験談をもとに、行動食についてお話しします。なぜ行動食が必要なのか、また実際に富士登山に持って行きたい行動食を購入してみましたので、最後までぜひご覧ください！

8月某日、テント泊で縦走登山を行った2日目のこと。早朝から活動を開始し、稜線上を歩いていました。その途中、突然普段よりも明らかにペースが遅くなり、5分ほど歩くと足が止まってしまいました。暑い日だったため、脱水には気を付けて水分補給していたのに、足が前に出ない・・。ひとまず予定より早めの昼食を取ることとし、しばらく身体を休めたところ、少しずつ動けるようになったので再出発することができました。予定よりだいぶ遅れてしまったものの、何とか目的地に到着することができました。

これはkarrimorスタッフである私の体験談です。身体が思うように動かず、頭も働かなくなり、「このままでは遭難してしまうのではないか・・」と恐怖を感じたことを今でも鮮明に覚えています。

いま改めて思い返すとあの時の私は、いわゆる「シャリバテ」の状態であったと思います。早朝から活動を開始するため、事前に軽めの朝食をとりましたが、その後は水分補給だけ・・なにかを食べることはせずに歩き続けてしまいました。その結果、身体の中の糖質が不足し、頭と身体が上手く働かなくなってしまったのです。

※シャリバテ・・・山の言葉で、シャリ＝飯が足りなくて、バテてしまうことをいいます。

登山中は大量のエネルギーを消費します。補給せず消費し続けると、身体に力が入らなくなり倦怠感やふらつきなどの症状が出てきます。また、脳に届くはずのエネルギーもなくなってしまうため、頭痛や判断能力の低下などの症状が出ることも・・これらは、転倒や道迷いを引き起こす原因に繋がります。

登山は急にエネルギーを消費するものではなく、「常に」消費するものなので、自分ではなかなか気づけないことも多いといわれています。単に疲れただけだと思って大丈夫！と考えていると危険です。症状がひどくなると食欲がなくなるため、補給をしようにも身体が食べ物を受け付けなくなってしまいます。

このような「シャリバテ」にならないための予防策として、登山中の「行動食」がひとつのカギとなります。登山中に消費した分をこまめに補い、身体のエネルギー切れを防ぐようにしましょう！
登山中に必要な栄養素は、糖質、脂質、ミネラル、アミノ酸など多岐にわたりますが、身体を動かす面では主に糖質と脂質が重要です。

糖質は、身体活動に多く消費される栄養素の一つで、山行中は不足しがちですが、摂取後は短時間でエネルギーとして利用できますので、こまめに補給することが理想です。

一方、脂質はエネルギーに変換するのに時間がかかりますが、糖質よりも持続力があります。ただし、変換には糖質が必要なので、登山中は主に糖質を積極的に摂取することが効率的です。

こまめな摂取となると、座って食べるものや、両手がふさがってしまうものは「行動食」には適さないですね？文字通り、「行動しながらでも摂取できる食べ物」が適しており、なるべくゴミが出ないものを選ぶのもポイントです。

例えば、袋から一つの容器に移して荷物から出しやすくしておくのも、行動食をこまめに摂取するコツのひとつです。

行動食の収納におすすめなのがkarrimorのTCシリーズです。TC padded pouchはリュックサックのショルダーハーネスに装着し、すぐに取り出すことができます。さらにポイントなのが、ジッパーのポケットが裏起毛仕様であることです。スマートフォンを入れることもできるサイズなので、洋服に入れているときの煩わしさを感じることがありません。

TC hip belt pouchはヒップベルトに取り付けることにより、リュックサックを背負った状態で楽にボトルが取り出せます。「ワンドポケット(サイドにあるポケット)に手が届きにくい・・」という方も使いやすいと好評です！ワンドポケットには水分、TC hip belt pouchには行動食、といった使い方も可能です。

今回、実際に富士登山(山小屋1泊)を想定して行動食を購入してきました。購入先は登山用品店とコンビニ、それぞれどのようなものがあるのでしょうか。

（タイミングや時期によって品物が異なる可能性がございます。ご参考までにご覧いただけるとうれしいです！）

登山用品店で選んだ行動食はこちら！

行動中でも片手で食べることができるバータイプや、ゼリータイプを中心に選びました。また、熱中症対策として塩分を含んだものや、味に偏りが出ないように注意するのもポイントです。最近は行動食コーナーを設けている店舗も増えており、歩きながら食べやすい商品や、栄養成分が考慮された商品も多く取り揃えているので、装備を購入するために店舗を訪れた際はぜひ覗いてみてください。

続いては、コンビニで購入した行動食です。おなじみのコンビニでも購入できる商品が多くあります。

ゼリータイプやバータイプ、途中で封を閉じられるものを中心に選びました。私のおすすめはラムネです。原料の90％がブドウ糖なので、摂取後すぐにエネルギーになります。登山中に少しずつ摂取してエネルギー補給をしましょう！

今回、両店舗で購入してみて、登山用品店は成分や食べるタイミングの説明があるなど、行動食選びに不安がある方にはとても参考になると感じました。一方、コンビニには普段から馴染みのある商品が多いので、味をイメージしやすいところが選びやすいポイントですね！成分を気にしながら、食べたいものや自分の好みに合ったものを選んで、行動中の楽しみにするのも、こまめなエネルギー補給のきっかけになります（ただし食べ過ぎには注意！）。

登山口に向かう途中でも購入できる利便性も、コンビニの強みです。

今回は行動食についてお話しました。登山中の身体を動かし続ける上で非常に重要な要素であり、「おやつ」というには意味合いが軽すぎるくらい、大切な装備品です。今回ご紹介した商品以外にも、登山に必要な栄養素は多岐にわたるため、さまざまな選択肢を調べ、楽しみながら準備を行うことが、快適な富士登山につながるでしょう！

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