+karrimor vol.12 百尋の滝(奥多摩)/相原民人さんとsector 25

東京屈指の山地・奥多摩。一年を通じて多くの登山客で賑わう山々は、東京の人たちの水源地でもあります。そんな「水の生まれるところ」で美味しいコーヒーを淹れられたなら…と、吉祥寺のコーヒースタンド〈LIGHT UP COFFEE〉の相原民人さんと〈百尋の滝〉を目指してデイハイクに。奥多摩の湧き水を求め、初秋の森を歩きました。

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中央線を西へ。奥多摩駅からバスに乗り換え、川苔橋で下車。林道を歩きはじめてほどなく、谷底から人の声が…。何かと思って見てみると沢登りの人たちの姿が! 奥多摩が自然あふれるアウトドアフィールドだということを再認識させてくれます。

相原さんが吉祥寺に〈LIGHT UP COFFE〉をオープンしたのは、大学を卒業した年の夏。在学中にコーヒーチェーンでアルバイトをしていたのをきっかけに、コーヒーの世界を志すことを決意したのだとか。しかし卒業後はコーヒー業界に就職しようと考えるも、なかなか思い描くような就職先がなかったのだという。
「大手のチェーン店ではなく、僕が働きたいと思っているお店は小規模なところが多く、なかなか採用がなくて。そこで、やるしかない!と(笑)。自分で立ち上げるのもひとつの手だなって思ったんです。大学4年のころから物件を探しはじめて、縁あって吉祥寺にお店を出すことができました」

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見上げると鬱蒼とした山々には霧がかかっていました。東京とはいえ奥多摩は自然度の高い山域。登山口には「熊出没注意」の看板を発見しました。入山時には鈴や声を出して歩くなどの注意が必要です。

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40分ほど林道を歩き、山道へ。斜面から湧き水が流れ出しているところもあり、味をチェック。きりりと冷たい水はコーヒーにはぴったりとテンションがあがります。

「〈LIGHT UP COFFEE〉は、僕と川野の2人で立ち上げました。役割分担をしていて、僕はコーヒー担当で、川野は経営。開店当初はなかなか売り上げも伸びずに、ようやく出た給料でカリマーのウインドブレーカーを買ったのを覚えています(笑)」。
今年でオープンして3年目。着実にお客さんは増えているという。「やっぱりお店はつづけていくことが大事。地域に根ざしたコーヒーショップになりたいんです」。

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何度か橋を渡るようなシーンも。「水がほんとうにきれい。そのままでも飲めそうなくらいですね」。歩くほどに秘境感が強まっていく登山道。川沿いのルートには大小さまざまな滝があり、歩いていて飽きることがありません。

05_OM033379こんこんと湧きだす奥多摩の水。渓流沿いに登山道があるのがこのルートの魅力。ハイキングだけでなく、沢登りや渓流釣りなどを楽しむことができるとあり、人気が高いのも頷けます。

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人気の高いデイハイクコースですが、ロープがかけられているような箇所も。川沿いのトレイルは苔むして滑るので要注意。「意外とアップダウンが激しくてびっくりしました」。

07_OM033425登山口から歩きはじめて2時間。目指していた「百尋の滝」にたどり着きました。デイハイクにはちょうどいい距離。アクセスがよく、無理なく手軽に楽しめるのも奥多摩のいいところ。

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奥多摩屈指の大滝・百尋の滝。落差は40mほどと、その迫力に圧倒される。休日にはハイカーたちであふれるがこの日は滝を独り占め。ラッキー!

奥多摩にはよく来るという相原さん。「〈LIGHT UP COFFEE〉のある吉祥寺からも中央線で一本ですし、育ちも武蔵野なので親しみのある山です。低山ばっかりですけれど」。
コーヒーをはじめるまではインドアだったそう。きっかけはコーヒー。山で淹れたコーヒーの美味しさは病みつきになってしまったのだとか。
「きっと神が宿るんでしょうね(笑)。あとは、当たり前ですがシチュエーション。山登りってちょっと苦労する達成感にコーヒーは最高です」。

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「写真で見ていたよりも大きく感じますね」。滝を目の前にパチリと一枚。ふだんは〈eclipse 27〉を愛用しているという相原さん。「出勤もハイキングもカリマーのリュックです。どちらでも違和感なく使えるデザインが気に入っています」。

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この透明度の高さ。奥多摩が東京の水源地であることを実感します。じっと見ていると小さな魚が逃げていきました。早速、コーヒーを淹れてもらいましょう!

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山でコーヒーを淹れるときに使うのはエアロプレスという道具。発売当初はそれほどみんな関心がなかったのですが、北欧のバリスタチャンピオンがSNSなどで評価したら一気に広まっていったという。アウトドアでの使用を前提にしているので、本体がプラスチックで壊れにくく、丈夫。持ち運びも楽なのが魅力だとか。

「ドリップだとサーバーやペーパーなどいろいろ必要になってきますが、エアロプレスはこれひとつあれば完結するのでとても便利です。また、圧力をかけて抽出するので重力だけで落ちてこない味がでます。ドリップは淹れるときの粉の挽き目やお湯の温度で味が変わってくるので幅が広いのが特徴。一方、エアロプレスは淹れ方がシンプルな分、誰でも使いやすくて安定した美味しさになります」。

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淹れてくれたのは〈LIGHT UP BREND〉。コロンビア、コスタリカ、エチオピアの配合で、華やかな香りにチョコレートのような後味まで続く甘さ、オレンジの酸味が魅力だとか。

「コーヒーの99%は水。〈LIGHT UP COFFEE〉のある武蔵野市の水も美味しいです。水はやっぱり大事。水で味が変わってくるので、山で淹れる一杯が美味しいんですよね」。

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下山時に出会ったカモシカ。「一瞬、熊かと思ってびっくりしました! カモシカでよかった…」。こっちを警戒しながらゆっくりと谷底に消えていきました。

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川苔橋まで戻り、バスを待ちます。奥多摩駅行きは本数が少ないので事前に時間をチェックして、ちょっと早めに着いているくらいの余裕をもったルーティングをするのが鉄則。

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リュックは〈sector 25〉。デイパックでありながらも、本格的な登山スペックの機能が盛りだくさん。2気室構造になっているので、荷物の整理や出し入れが便利な人気モデルです。今回は、コーヒーを淹れるための道具一式を携行。ほかにも、防寒着や着替え、お弁当や飲料などを入れてちょうどいいくらいのサイズでした。意外と荷物が多くなるデイハイク。充実したポケットや登山で活躍する機能が盛りだくさんの〈sector 25〉がおすすめです。

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今回のおすすめアイテム

sector 25

[ sector 25 ]
2気室構造を採用することで利便性を高めたライトトレッキングモデル。安定性の良いフォルム、通気性の高いメッシュを使用したバックパネル、フィッティングのよいショルダーハーネスなど、本格的な機能を備えているのが魅力。

    ポイント

  • 荷物の出し入れや整頓に便利な2気室構造
  • フィット感に優れた背面デザインとハーネス
  • 小物の整理に活躍するオーガナイザーポケット採用

LIGHT UP COFFEE
2014年にオープンした、吉祥寺の自家焙煎コーヒーショップ。コーヒーを農作物として扱い、産地や作り手による素材の味を楽しむ新しいコーヒー文化を伝えることをミッションとして活動中。2016年10月には京都に2号店を開店。
HP:http://lightupcoffee.com

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