Winter Climbing in Japan 〜日本の冬山で活躍する愛用ギアとkarrimorウェアたち〜【アンバサダー 稲田千秋】

白い山は美しいーーー。夏の溌剌とした活気に満ち溢れる山容も素敵ですが、緑が落ちて黒々とし、そこに白い筋が刻まれて、よりくっきりとした輪郭を澄み切った冷たい空気の中にきりっと浮かび上がらせる冬の山は魅惑的です。

そこで行われるクライミングには、無雪期の倍くらいの様々なギアが使用され、衣類の量も倍近いので、持ち物はだいぶ多くなります。山行から帰ってくると、濡れた装備などを広げて車内はいつもこんな感じになります(笑)。

冬の切り立った壁を登るには、まずアイゼンとアックスが不可欠です。夏は素手とクライミングシューズで登るところを、両手両足に金属を装備して、その切っ先を氷雪や凍土に突き刺し、時には岩のくぼみにガリっとひっかけて攀じっていきます。

とくにアックスは相棒のような存在です。もう何年も使い続けているノミックというアックスですが、持ち手の金属部分に耐水グリップテープを巻きつけ、さらにカラーテープなどで可愛く(?)して愛用しています。

そして登りながら安全確保をするために使うギア類も多種多様です。カムやナッツといった岩の割れ目に差し込むギアは、夏だけでなく冬も安心感の高いプロテクションとして活躍します。

そのほか、ナイフの刃しかはいらないような割れ目に打ち込んで使うハーケン、凍土に打ち込んで効かせるワートホッグ、氷にねじ込んで使う長短さまざまなアイススクリューなどなど。冬になると登る対象は岩だけでなく、様々な雪質の雪壁や、これまた様々な氷質の氷瀑、凍ったり凍っていなかったりする土壁(いわゆる草付き)などバリエーション豊富なので、その都度最適なギアを選定するイメージです。

登山靴も、忘れたら致命的なものとして一位二位を争う重要アイテムでしょう(笑)。私は足のサイズが小さいので、大きさのあう冬用登山靴がかなり限られています。5、6年このバツーラという登山靴を愛用しています。

雪深い中を目的の壁までアプローチする際は、足が沈んでしまわないよう、わかんやスノーシューといったギアが必要になります。

このときダブルストックも利用すると安定性や推進力が増します。通常、登山では、歩幅を小さくし前足に体重移動して登るよう教わりますが、自分より体格の大きいパートナーと登る際、それでは遅れてしまいます。ダブルストックの推進力を利用すると、雪道でも大股でガシガシ進むことができ、ペースアップをはかれます。

コチラは、冬のテント泊おやすみセットです。-6度程度対応のダウンシュラフに、ダウンのテントシューズ、それに〈concordia light down jkt〉と〈active insulation pants〉が、8Lほどのコンプレッションバックに収まります。とくにactive insulation pantsは最近のお気に入りアイテムで、化繊のオーバーパンツですが、320gと比較的軽量で暖かです。日本の冬のテント泊はとにかく濡れとの戦いなので、濡れに強い化繊のアイテムは割と重宝します。

コンプレッションをぎゅっとしめればこんなにも小さくなります。冬はギアの量も多いため、荷物はなるべくコンパクトにまとめたいところです。大型ザックなら雑に詰め込めますが、身長が低いと背面長の合うザックも限られてきます。その点、〈ultimate 60〉は私の体格にもちゃんとフィットし、かつ頑張れば80Lくらいはパッキングできるので重宝しています。

concordia light down〉もオススメしたいアイテムのひとつです。1000FPの高品質ダウンが使われており、こんなにも小さくなって、重さも200gと軽量です。テント内では一度ジャケットを脱いで、フリースの上にこれを着るというインナーダウンのような形で使っていますが、とても暖かくて快適です。

epic insulation parka〉もやはりお気に入りアイテムのひとつです。中綿にPRIMALOFT_Gold Insulation Activeという化学繊維が使われており、ビレイ中などにハードシェルの上にさっと羽織るだけでとても暖かです。立体裁断はクライミングの動きを妨げず、着たままフォローで登っても快適です。

さらに、表地に使われているPERTEX_SHIELDは濡れに強く、海外と比べると登攀中も濡れる場面の多い日本ではその真価を発揮します。コンパクトにまとまるので、スタッフザックをちょっと工夫して腰につけられるようにし、リードの時も持って登ったりしています。ポケッタブルなのですが、冬に手袋をしたまま操作するには少し窮屈でやりずらいので、別にスタッフザックを用意して使っています。

また、よりテクニカルなクライミングでは〈alpiniste pants〉のようなハードシェルでなく、ソフトシェルが活躍します。〈quest softshell pants〉はストレッチ性が高く動きやすいですが、濡れにも強く、染みてきません。日本では、深い湿雪のアプローチでまず濡れてしまい、その後目的の壁を登攀するといったシチュエーションも多々あるので、濡れに強い素材は重宝しますね。

アウターシェルも含め、これからもどんどん進化する予定の冬用ウエアたち。私も積極的にフィードバックを重ねて、日本の冬にも快適なよりよいウエアを作っていきたいと思います。今後のkarriomr autamn-winterラインナップからも、目が離せません!

稲田 千秋

稲田 千秋(いなだ・ちあき)形成外科医、クライマー。学生時代から登山、クライミングに熱中し、季節やジャンルを問わず様々なスタイルでフィールドアクティビティに興じる。現在はフリーランスで世界中を旅しながらクライミングを楽しむ傍ら、国際認定山岳医として、日本の山岳医療発展のため活動する。2016年 Yosemite国立公園 El Capitan "The Nose"完登。2019年 ペルーアンデス Alpamayo "French Direct"登攀など。

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